浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

フルトヴェングラーのバルトーク

2009年04月17日 | 指揮者
東芝のHA赤盤で聴き親しんだバルトークの提琴協奏曲第2番を久々に取り出した。会話にも不自由をする此の地での仕事は多忙を極めたが、やうやく仕事も軌道に乗り始め、ゆっくりと音楽を聴く時間のゆとりも無理矢理作ることができるやうになった。

既に議論が尽くされて結論の出たテーマを、今初めて発見したかのやうに大問題として取り上げるのを嘆かわしく思ふ毎日だ。やり場のない不満と憤りが込み上げて来る。亜米利加といふ後進地に赴いたバルトークも、不遇のうちに人生の幕を下ろした。僕は不遇のまま終わりはたくない。

欧羅巴ではフルトヴェングラーの理解を得て度々演目に取り上げられたくらいであるから、ヒトラーさへ居なければ、もっと欧羅巴で創作活動に専念して更に素晴らしい作品を数多く生み出してゐたのかも知れない。

久々に聴くフルトヴェングラーのバルトークだが、CDで聴くと記憶には無い音が数多く耳に入って来る。特に第1楽章のメニューヒンはこんなにうるさかっただらうか、今聴きなおすと、フルトヴェングラーの指揮が遠慮がちに聴こえてしまふ。復刻のせいかも知れない。

バルトークの作品の中で最も崇高で美しいこの作品のこの演奏が、バルトークに関するレコヲドの中で僕は何よりも好きだ。

盤は、Membran MusicによるリマスタリングCD Meister Konzerte CD003。

バルトーク:VN協奏曲第2番
フルトヴェングラー
EMIミュージック・ジャパン

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