浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ジョコンダ・デ・ヴィトー&ケンペン ブラームス協奏曲ライブ?

2006年12月02日 | 提琴弾き
デ・ヴィトー37歳の1941年、戦時中の伯林での録音が残されてゐる。曲はブラームスの協奏曲で、デ・ヴィトーの演奏としては約10年後にフルトヴェングラーとトリノで演奏したものの方が有名だ。

戦時中の独逸では、優秀な演奏家がどんどん国外に逃げ、フルトヴェングラー指揮する伯林フィルハーモニーですら質の低下を免れなかった。そのやうな中、ケンペンの指揮のもと伯林独逸オペラ管絃團がデ・ヴィトーを独奏者に迎えてブラームスの協奏曲を取り上げてゐる。

デ・ヴィトーの独奏は独特の間合いを持ってゐて、その特性は第3楽章のロンドで聴くことができる。高域の伸びがいまひとつなのは録音のせいかも知れないが、全体的に少しくすんだ響きで透明感ある音色を期待してはいけない。しかし、デ・ヴィトーの解釈を僕はとても気に入っていて、フルトヴェングラーとの相性も実はメニューヒン以上なのではないか、と密かに思ってゐた。

パウル・ファン・ケンペンの伴奏も独逸らしい重厚な音楽を作っていて素晴らしい。表記はライブ録音となってゐるが、会場のノイズは全く聞こえないのはどうしたことだらう。Polydorへの録音と同一なのか、それとも別の放送用録音なのだらうか。ライブでないことだけは確かだと思ふ。

盤は、伊太利亜ArkadiaのCD HP-623.1。


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