離宮八幡宮に文書で迫る企画展 大阪・島本の資料館

2012-09-15 16:39:42 | 歴 history
離宮八幡宮の神職を代々務めた家に残っていた文書12点を展示している(大阪府島本町・町立歴史文化資料館) 大阪府島本町桜井1丁目の町立歴史文化資料館で12日、企画展「近世の離宮八幡としまもと-社家文書を通して」が始まった。離宮八幡宮(京都府大山崎町)にゆかりの深い住民宅に残っていた文書から12点を展示しており、社務や油による商業活動などの歴史を垣間見ることができる。

 明治初期まで代々、離宮八幡宮の「社家」の家系だった松田保男さん(76)=島本町桜井4丁目=が、自宅で見つかった文書204点を5年前、町に寄贈していた。近世中期から明治初期にかけてのものが大半を占める。

 展示の中には、中世にエゴマを原料とする灯明油の独占販売で栄えた離宮八幡宮らしい文書が残っている。寛正5(1464)年8月と記載された文書は、京都で油を売らないことや油の製造場所の制限などを4人の人物に約束させた誓約書になっている。

 ほかにも、江戸時代に地震などによる破損の修繕を幕府に願い出ているものや、明治初期に旧来の社家支配を自己批判して改革を目指していたことを示す文書がある。

 15日午後2時には、文書を調査した大阪府立大の山中浩之名誉教授の講演会を開く。申し込み不要で無料。

 企画展は10月28日までで、月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入場無料。問い合わせは、町立歴史文化資料館TEL075(961)3411。

【 2012年09月13日 10時25分 】

離宮八幡宮と大山崎油商人 (1933年)
魚澄 惣五郎,沢井 浩三
星野書店

障害者踊る姿生き生き、活動PR 大山崎で写真展

2012-09-15 16:30:56 | 創 creation
ワークショップでの生き生きとした写真など21点が並んでいる(大山崎町・大山崎ふるさとセンター) 障害や年齢、経験など関係なく体を動かすダンス企画が16日に開催されるのを前に、関連写真展「大山崎のステキなパフォーマーたち」が11日、京都府大山崎町大山崎の大山崎ふるさとセンターで始まった。障害者たちが生き生きとした表情で自由に体を動かして楽しむ様子を切り取った21点が並んでいる。17日まで。

 主催するのは京都市上京区の市民グループ「ダンス&ピープル」。大山崎町で毎月1回、ワークショップを開いたり、その発表の場としてダンス企画「オオ!ヤマザキデゴォーーー!!!」を催している。

 同町での活動は7年目を迎えるが、知名度の低さが悩みだった。写真展を通じて地域の人たちに知ってもらおうと、初めて企画した。写真は中京区のカメラマン草本利枝さん(42)が4年間、撮り続けた中から21点を選んだ。街中で活動する姿や以前のダンス企画の様子を記録している。

 草本さんは「子どもの体つきが成長したり、仲間との距離が縮まったり、みんなの小さな変化が頼もしく感じる。こういう場があるのだというのをもっと広めたい」と話す。

 グループの代表五島智子さん(56)=上京区=は「生き生きとした個性を伝えることで、各個人の可能性を信じたり、障害のマイナスイメージを変えるきっかけになれば」と期待している。

 期間中の16日午後2時からは、大山崎ふるさとセンターで「オオ!ヤマザキデゴォーーー!!!」を開く。有料。問い合わせはダンス&ピープルTEL075(802)9060。

【 2012年09月12日 12時11分 】

はじけてダンス!―重度障害者の娘と共育ち
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小学館

京都第二外環 来春完成めど 西山トンネル貫通

2012-09-10 20:00:04 | 創 creation


 国土交通省と西日本高速道路が建設を進める京都第二外環状道路(通称・にそと)で、最後に残った西山トンネル(京都市-長岡京市間、2・3キロ)の貫通式が10日開かれた。本年度中の完成にめどがたち、出席した関係者ら約100人がくす玉を割って貫通を祝った。

 京都縦貫自動車道路の沓掛インター(IC、京都市西京区)と久御山IC(久御山町)を結ぶ全長15・7キロの自動車専用道路。久御山IC-名神高速道路の大山崎ジャンクション間(5・9キロ)は2003年に供用を開始している。

 全線が開通することで、名神高速道路と丹波までの区間が高速道路でつながる。2014年度には京都縦貫自動車道の京丹波わち-丹波IC間も開通予定で、府北部への交通アクセスが飛躍的に高まり、物流を含め経済の活性化が期待される。

 第二外環は1989年に都市計画決定されたが、景観や環境破壊を理由に住民らの反対運動もあり、沓掛-大山崎間(9・8キロ)の着工が遅れた。2008年にようやく工事に着手し、来年3月末までに開通する見通しとなった。

 トンネル内で行われた貫通式で、山田啓二府知事が「災害時の輸送や救急医療搬送など府民の安心安全にもつながる『京都の背骨』がまた一つできた」と喜んだ。出席者はボタンを押して除幕し、万歳を繰り返した。

【 2012年09月10日 14時10分 】

近畿各地で落雷や激しい雨、鉄道運休など相次ぐ

2012-09-09 16:41:55 | 災 disaster

読売新聞9月4日(火)0時8分

 近畿地方は3日午後、大気が不安定となったため、各地で落雷や激しい雨に見舞われ、鉄道が運休するなどした。

 大阪府高槻市のJR東海道線高槻駅では午後3時30分頃に落雷があり、構内の出発信号機が約2時間にわたり赤のまま変わらず、同―京都間の上下線計62本が運休し、約3万4000人に影響。JR片町線でも午後7時50分頃、第二倉治踏切(大阪府交野市)付近の線路が冠水。京橋―木津間で約30分間、上下線が運休し、約2万人に影響が出た。

 また、奈良県内のJR関西線では、王寺、奈良両駅などで雨量が規制値を超えたため、三郷―高井田間、加茂―郡山間で約10時間にわたって徐行運転した。

 一方、大阪府内のJR阪和線日根野駅で信号故障が発生。約1時間後に復旧したが、天王寺―和歌山間などで上下34本が運休し、1万7000人に影響した。

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バッファロー

「ぼくの新聞」も登場 向日で小中生の作品展

2012-09-09 16:30:55 | 創 creation
小学生の手掛けた工作や自由研究が並ぶ夏休み作品展の会場(いずれも向日市寺戸町・市民会館) 京都府向日市内の小中学生の手掛けた多彩な作品を集めた展示会が8日、同市寺戸町の市民会館で始まった。夏休みの工作や自由研究、書や絵画などの力作がそろい、訪れた市民の目を引きつけていた。9日まで。

 小学生夏休み作品展では、140点を展示。4年生女児は、体に障害のある妹が手を訓練できるように、面ファスナーのついたマスコットを制作した。3年生男児は、身近な話題を集めた「ぼくの住むまち新聞」を編集し、市内のキャッチボールができる公園を綿密に取材した結果を特集にまとめた。

 中学生の書道展と美術展も開かれた。各54点が出展され、伸びやかで力強い筆致の書や、みずみずしい感性で描かれた風景画や人物画が目を引いていた。

 昨秋の国民文化祭で同市が展示会を主催した剪画(せんが)の文化を根付かせようと、小中学生の手がけた切り絵作品も並べられた。中学生らしい漫画風のデザインと伝統技法が融合した作風に、訪れた人たちが興味深げに見入った。

【 2012年09月09日 11時37分 】

究極の切り絵 剪画テキスト―基本から作品づくりまで 初級教本
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日貿出版社

鴫谷山裁許絵図の原本発見 向日市文化資料館鑑定

2012-09-09 16:25:50 | 歴 history
絵図の原本を前に発見の経緯などを話す(左から)安井さん、長谷川さんと鑑定に当たる玉城学芸員=京都市西京区大原野小塩町 旧乙訓郡の4カ村と1村が江戸前期、西山山中・鴫谷山の用益をめぐって争った際に、裁定の結果を記した文と合わせて描かれた「鴫谷山山論裁許(しぎたにさんさんろんさいきょ)絵図」の原本が、京都市西京区大原野小塩町の旧家で2枚、見つかった。副本を向日市の上植野町自治連合会が現在も所蔵し、市指定文化財となっているが、原本は長く所在不明だった。同市文化資料館は「約350年前の裁判の全当事者が保管した絵図が、副本も含めそろって残っていたことは大きな成果」と評価している。

 今回見つかった絵図は、副本の修復完了を新聞の記事で知った、長岡京市でカメラ店を営む小塩町在住の安井昭さん(66)が、同じ町内に住む親類の古い農家宅で似た絵を過去に見たのを思い出し、まず自分の目で確認。確信を持ち、持ち主の長谷川治良さん(76)とともに、向日市文化資料館に鑑定を求め、本物と分かった。

 2枚の絵図の製作年は記載から、いずれも現存する副本と同じ、寛文9(1669)年。中央に大きく鴫谷山を配し、松林や竹林、山を貫く道、周囲の村など絵の内容や構図、さらに描き方も含め、副本と一致する。

 一方、副本にはない京都所司代と町奉行の黒印が署名下にあり、絵図中の境界確定線上にも複数押されていることで、市文化資料館は「原本」と判断した。2枚の絵図のうちの1枚には、明治19(1886)年の裁判で証拠採用されたことを示す判事の署名などもあった。

■山の用益で論争

 絵図が描かれた当時は、鴫谷山を擁する旧小塩村と、同山の入会権を共有する上植野・鶏冠井(各現向日市)・今里・井内(各現長岡京市)の旧4カ村の間で、柴草刈り取りの権利をめぐって争論があった。

 京都所司代と京都東・西町奉行は4カ村側の権利を認め、裁定の内容を記しこれを図解した絵図を両者に下げ渡した。4カ村は副本を作り、原本を今里と井内で、副本は上植野と鶏冠井で、2村ごとに10年交代で保管すると決め、副本に覚書を記した。

 明治の裁判後、絵図はいつしか存在が忘れられたが、約30年前、上植野町で公民館建て替えに伴い副本の存在が再確認された。一方、原本は今回見つかるまで長く所在不明のままだった。

■なぜ原本2枚

 ここで謎となるのは原本が「2枚」もあること。向日市文化資料館のその後の調査で、1枚は小塩村、もう1枚は今里・井内の保管分と判明した。今里・井内の原本が「訴訟相手」の小塩村に渡った経緯や時期は不明で、今後の解明が待たれる。

 同資料館の玉城玲子学芸員は「副本を含む3枚の絵図と、残っている多数の関係文書を照合することで、争論の内容や経過をより詳細に確かめられ、新たな発見や事実解明にもつながる可能性がある」と期待する。そして、「江戸期や明治期の乙訓の村々が山をどう利用し、権利を守ろうとしたのか、ひいては住民の暮らしのあり方や変遷を明らかにする手がかりにもなる」と話す。

【 2012年09月08日 12時06分 】

中世裁許状の研究
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塙書房

市民手作り竹細工を展示へ 向日の「かぐやの夕べ」

2012-09-08 12:14:57 | 木 plants
 向日市観光協会は、京都府向日市北西部の散策道「竹の径(みち)」で毎年10月に催す「かぐやの夕べ」で、今年は初めて市民手作りの竹細工とキャンドルを展示することにし、本番に向け作品を製作する「竹あかりワークショップ」を、今月22、23両日に市民会館と市役所で行う。

 11回目となる今年のかぐやの夕べは、10月20日に開かれる。市制40周年と観光協会設立10周年を記念し、昨年に続き京都市洛西竹林公園(同市西京区)と共催する。

 作品展示は、記念の年を機に今後、かぐやの夕べへの市民参加をより促し、市の観光を盛り上げていきたいと初めて取り組むことにした。当日、向日市と京都市の市境に展示コーナーを設け、作品を一堂に飾る。

 ワークショップは、竹細工編とキャンドル編に分け、ともに講師を招いて行う。竹細工編は22日午後1時から市民会館であり、農学博士の渡邊政俊さんが「竹と伝統文化、竹を活(い)かした地域振興」と題して講演後、市竹産業振興協議会の指導で竹かごを作る。キャンドル編は23日午後1時と2時半からの2回、市役所で、市内在住のキャンドルクリエーター泉邦江さんが多彩な色のろうを使ったオリジナルキャンドル作りを教える。

 参加無料で、対象と定員は竹細工が高校生以上で30人、キャンドルは小学生以上で各回30人。キャンドル製作では牛乳の空きパック1個(500~千ミリリットル)を持参。定員になり次第締め切る。当日のボランティアスタッフも合わせて募集中。

 申し込みはいずれも所定の用紙に必要事項を書いて、郵送やファクスなどで市観光協会事務局まで。詳細は、市役所代表075(931)1111から同事務局の市産業振興課へ。

【 2012年09月07日 10時31分 】

竹細工の絵本 (つくってあそぼう)
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農山漁村文化協会

アゼリア通り改良へ 府の地域主導型公共事業に採択

2012-09-08 12:07:09 | 創 creation
地域主導型の公共事業に採択され、歩道などが整備される長岡京市中心部のアゼリア通り 京都府が本年度から新たに始めた地域主導型公共事業に、長岡京市中心部のアゼリア通り(府道伏見柳谷高槻線)の改良事業が採択された。商店街や自治会の提案を受け、「ひと中心の賑(にぎ)わいのあるまち」をテーマに自転車の通行区分を色分けしたり歩道のバリアフリー化に取り組む。

 事業期間が3年以内で府の総工事費が1億円以内の事業を対象に、府が応募を受け付けていた。開田自治会と長岡中央商店街振興組合が提案者となり、学識者や行政関係者が事業の効果などを審査した。府内9件のうち乙訓地域では唯一、採択された。

 この地区は阪急長岡天神駅近くに位置し、人や車両の通行量が多い。その半面、渋滞でバスの定時運行が難しかったり歩道が狭いために歩行者が安心して買い物するためには不便も多い。

 2013年度中の完成をめざし、府が総事業費約5千万円かけて取り組む事業では、阪急京都線の踏切をはさんだ東西400メートルの区間で、車道部分に幅75センチの自転車走行空間をカラー舗装で確保し、車いすなどが行き来しやすいよう歩道の勾配がきつい部分をかさ上げ工事などで緩和する。

 府乙訓土木事務所は「歩行者と自転車の接触事故をなくして歩行者の安全性を確保する。通りの周遊性を高めることで、商店街の活性化をめざす」と事業の狙いを話している。

【 2012年09月06日 11時44分 】

中心市街地活性化のツボ―今、私たちができること
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学芸出版社

町並みを特大タペストリーに再現 長岡京の住民ら

2012-09-08 11:55:29 | 創 creation
完成間近となったタペストリーに見入る柴の里地区の住民有志(長岡京市柴の里・柴の里自治会館) 京都府長岡京市柴の里地区の住民有志が、地区の町並みを再現した特大タペストリーの制作に取り組んでいる。縦2メートル40センチ、横2メートル50センチの布の上に、全住宅約380戸をパッチワークで表現した力作で、1年がかりで完成間近にこぎ着けた。30日にお披露目のセレモニーを自治会館で開く。

 タペストリー作りに携わるのは男性1人を含む60~70代の住民19人。まちびらきした44年前から同地区に住む山名上枝さん(69)が昨年9月、2013年に迎える自治会結成45周年に向けて制作を発案し、回覧板を通じて参加を呼びかけた。

 メンバーはまず、地区に建つ住宅1軒1軒を8センチ四方のパッチワークで制作し、土台となる布にとじ付けていった。地区の南を走る外環状線や阪急電鉄の高架橋、自治会館などのランドマークをはじめ、道路を走る乗用車やトラック、歩行者まで細かく作り込んだ。

 町の周囲には畑や木立、北方には愛宕山をはじめとした山並みをあしらい、空間的な広がりを表現した。

 当初は2年がかりで完成する予定だったが、今年が市制移行40周年にあたるのを知り、1年前倒しすることにした。7、8月は週2回集まるなどして急ピッチで作業し、フックの取り付けと防水加工を残すだけとなった。

 山名さんは「メンバーが住宅1軒1軒に心を込めた。地元の人にぜひ見てもらい、自分の家を探してほしい。自分たちの町への愛着を今まで以上に持ってもらうことにつながれば」と話している。

【 2012年09月05日 11時30分 】

風呂敷 タペストリー棒・中巾(45cm)用
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風呂敷

児童の夏休み、創作結実 長岡京でアイデア展

2012-09-02 15:30:37 | 習 learn
創造性に富み、努力の跡がうかがえる力作が並ぶ「長岡京市小学生アイデア作品展」(市立中央公民館) 京都府長岡京市の小学生が夏休み中に取り組んだ工作や自由研究を展示発表する「第23回長岡京市小学生アイデア作品展」が1日、同市天神の市立中央公民館で始まった。発想の豊かさや根気強さがうかがえる力作ぞろいで、来場者の目を引きつけている。

 市教育支援センターが全10小学校から作品を募り、夏休み明けに毎年催している。今年は工作の部に116点、自由研究の部は62点が集まった。うち入選作となった72点には賞状が贈られる。

 会場には入選を含む全作品が2室に分けて展示され、朝から親子連れなどが多数訪れた。

 工作では、段ボールや新聞紙でできた船、ペットボトルを再利用したロボット、割りばしを何本も組み合わせて作った法隆寺、絵本に登場する木を折り紙などで装飾して再現した作品など、創造性に富み、工夫や努力の跡がにじむ力作がずらり。今年の五輪にちなみ、箱を開けると中で選手がプールで泳ぎ、国旗も飛び出す「びっくり箱」も。

 自由研究は、小畑川や犬川で見られる鳥、市内の古墳など身近な題材から、原発事故で注目のエネルギー問題に焦点を当てた作品もあり、大人の来場者が真剣に見入っていた。2日まで。無料。

【 2012年09月02日 11時22分 】

小学生の自由研究 1・2年生
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成美堂出版

小安殿と大極殿結ぶ 廊下の一部遺構確認 向日・長岡宮

2012-09-02 15:22:42 | 歴 history
長岡宮の小安殿から大極殿につながる廊下の一部の遺構。存在は想定されていたが、実際の確認は初。下は排水用の石(向日市鶏冠井町の発掘現場) 京都府向日市鶏冠井町、国史跡長岡宮の小安殿跡で31日までに、大極殿とつながる廊下の一部の遺構が見つかった。地覆石(底石)が敷かれていたとみられる溝の幅が、後期難波宮の地覆石の溝の幅と一致し、市埋蔵文化財センターは「長岡宮が後期難波宮を移築して造られたことをあらためて裏付ける発見」としている。

■難波宮移築裏付け

 小安殿は天皇が政務を執る大極殿に入る前に控える休憩所。長岡宮で初めて独立の建物となった。大極殿との間をつなぐ廊下の存在は想定されていたが、実際に確認されたのは初めて。

 廊下跡は、小安殿のすぐ南側の東西幅8・9メートル、南北幅1・5メートルの調査範囲で見つかった。大極殿の位置から中軸が推定でき、廊下自体の幅は6・5メートルと推計した。基壇の土は固くたたき締められており、宮殿建物に特徴的な丁寧で重厚な造成が施されていた。

 また、地覆石の溝の外側には排水用の石が敷き詰められていた。上に多数の丸瓦や平瓦もたい積していたが、これは、平安京遷都に伴い投棄されたものとみられる。

 同センターの中島信親主任は、廊下の存在や基壇の状態などから小安殿は大極殿とほぼ同時に造られたとみられるといい、「難波宮以前は門と一体だった小安殿が、長岡宮で独立した経緯を解明する手がかりになる」と話す。調査は8月末で終えた。

 後期難波宮は、平城京の副都として726年に聖武天皇が造営。桓武天皇による784年の長岡京遷都まで、現大阪市に置かれた。瓦の特徴が一致することなどで、長岡宮は後期難波宮を移築したとの見方が定説。

2012年09月01日 09時32分

難波の宮
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學生社

ナラ枯れが南下傾向 西山、天王山で例年以上の被害

2012-09-02 15:15:14 | 木 plants
ナラ枯れで葉の赤茶けた木がところどころに目立つ長岡京市の西山。被害の拡大が懸念されている 長岡京市の西山や大山崎町の天王山で、ナラ枯れが例年以上に目立っている。原因菌を媒介するカシノナガキクイムシ(カシナガ)が徐々に南下しているとみられ、両市町の森林行政担当者は「明らかに昨年より被害が多い」と指摘する。京都府も被害の全容把握のため、調査に乗り出す構えだ。

 西山では今夏、紅葉シーズンのように葉が赤くなった樹木が斜面のあちこちで見られる。ナラ枯れの被害木だ。長岡京市農林振興課が東側斜面の被害本数を概算したところ、約250本に上った。

 同課は「西側斜面も数えるとかなりの本数になるはず。これから枯れる木もあるので、被害はさらに拡大するだろう」という。延べ449本が枯死した昨年の被害を上回るおそれがあると警戒する。

 大山崎町の経済観光係も「天王山も昨年よりナラ枯れの木が多いようだ」と話す。隣接する大阪府島本町でも「天王山に限らず、高槻市に接した山にも被害が広がった」(環境・産業課)という。

 一方、これら3市町よりも北方にある向日市では「ナラ枯れの範囲は広がっているが、本数が増えている印象はない。被害はむしろ終息傾向にある」(産業振興課)という。

 京都府は「被害が南に拡大している可能性がある」(林務課)として、31日にヘリコプターを飛ばし、府南部のナラ枯れの状況を上空から観察する。

 長岡京市もすでに現地調査を始めており、「被害の状況を把握した上で被害木の伐採などの対策を考えたい」(農林振興課)とする。

 ナラ枯れに詳しい独立行政法人森林総合研究所関西支所・生物被害研究グループの衣浦晴生グループ長は「ナラ枯れは被害範囲が移動する特徴があり、近畿地方や中国地方は南下の傾向がある」と指摘する。

 現時点で決定的な予防策はないといい、「住民と行政が地元の山をどう保全していくのかというビジョンを共有し、それに合った最適な対策を考える必要がある」としている。

【 2012年08月31日 10時29分 】

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引きこもり支援探る講演会 長岡京で開催、体験談も

2012-09-02 15:04:53 | 護 help
引きこもりの人の居場所をつくる大切さを説く山田さん(長岡京市友岡・乙訓もも) 引きこもりの人の支援について考える講演会が29日、京都府長岡京市友岡の「くらしと仕事のサポートステーション 乙訓もも」で開かれた。若者の居場所づくりに取り組んできた支援者が講演し、引きこもりの人の体験談も紹介しながら、存在が認められる仲間づくりの大切さを訴えた。

 乙訓ももは、引きこもりの人や生活保護受給者らの生活再建と就労を支援する京都府の事業を受託して5月に開設された。講演会は初めての企画で、引きこもりの人がいる家族や支援機関の関係者ら約30人が参加した。

 乙訓ももと同じ事業を行っている「くらしと仕事のサポートステーション おれんじハウス」(宇治市)の事業責任者である山田孝明さん(59)が講師を務め、20~40代の男性3人も体験を話した。

 男性たちは、学校でのいじめや就職難、精神疾患などをきっかけに、社会生活から遠ざかった経緯を紹介。引きこもりの人を対象にした支援施設にそれぞれ通い始めた結果、「温かく迎えられて安心した」「考え方が前向きになった」「こんな自分でも生きていていいと思えるようになった」と実感を語った。

 山田さんは「居場所の役割は、『僕らと一緒に生きよう』とメッセージを発すること。自分はこういう人間だと語れるようになることが自立につながる」と説いた。

【 2012年08月30日 10時52分 】

社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)
クリエーター情報なし
PHP研究所