
甚大な被害をもたらした台風18号から一夜明けた17日、京都府乙訓地域でも土砂崩れなど生々しい痕跡が残り、浸水した住宅や農地では消毒や土のう撤去などの作業に追われた。
■山手中心に土砂崩れ 長岡京
長岡京市では、山手を中心に土砂崩れなどの被害が広がった。
市農林振興課によると、金ケ原では水田2カ所であぜが崩れた。粟生では幅約40センチの農業用水路に土砂や流木が流れ込み、畑にあふれ出していた。
浄土谷では、柳谷観音楊谷寺の境内に土砂が約30平方メートルにわたり流入した。竹やぶが約10アールにわたり地滑りを起こしているのも見つかった。毎年10月にコスモス祭が開かれる休耕田では、地元農家が栽培していたソバが水浸しになり、イノシシやシカの侵入を防ぐフェンスが土砂で約20メートルにわたり倒された。

奥海印寺やこがねが丘でも竹林の一部が崩れた。調子では小泉川から農業用水をくみ上げるポンプ2台が下流に押し流された。
西山の林道では、一部で崩落地点が見つかった。
■浸水の家屋を消毒 向日
向日市の久嶋務市長は17日の市議会9月定例会の最終本会議で、台風18号による市内の被害状況と市の対応を報告した。浸水は床上4戸、床下102戸で、農作物にも一部被害が出た。
14日からの総雨量は275ミリに達し、寺戸町永田地区や二ノ坪地区などで浸水被害が発生。「いろは呑龍(どんりゅう)トンネル」をはじめ雨水貯留施設は満水状態となった。久嶋市長は、1999年に3日間で242ミリ降った大雨の際、両地区の浸水被害が床上47戸、床下671戸あったとし、被害者に見舞いの言葉を述べたうえで「呑龍トンネルは雨水対策に大きな効果があった」と述べた。
市は災害対策本部を設置、永田・二ノ坪地区などに職員を重点投入した。16日午後から浸水被害に遭った市民宅を訪問し、希望者には消毒を実施。市の委託業者は、水を吸ってずっしりと重い土のうの回収作業に追われた。
日本水道協会京都府支部の要請を受け、亀岡市に対する給水応援に職員3人を派遣した。
【 2013年09月18日 11時34分 】