東京で大学生になれば、彼女のひとりやふたりできるだろうと思っていたが、甘かった。
まったく、女気のない生活を送っている。だが、渥美や雅之はしっかりと彼女ができていた。渥美は彼女を主演にした8ミリ映画を撮っている。タイトルは「殺し屋ガンツ」だ。法政大学でもロケをしている。ホットドックプレスにも「街で見かけた素敵なカップル」として登場した。
雅之も「テニス&スキー」サークルみたいな軟弱なサークルに入って、そこで聖子ちゃんカットの彼女を見つけた。高校時代、恋い焦がれた後輩よりはずっと美人だった。
私はそもそも女性との接点がなかった。アルバイトでもバンドでもまわりは男ばかりだった。ロックラにはわずかに女性がいたが、親しくなる機会はなかった。ファーストフードなどでアルバイトをすればまた違っていたのかもしれない。
喘息の薬は相変わらず飲み続けていた。派手な発作もあった。
恋愛などは自分の実世界と違う次元にあるものだ、と諦めていた。
まったく、女気のない生活を送っている。だが、渥美や雅之はしっかりと彼女ができていた。渥美は彼女を主演にした8ミリ映画を撮っている。タイトルは「殺し屋ガンツ」だ。法政大学でもロケをしている。ホットドックプレスにも「街で見かけた素敵なカップル」として登場した。
雅之も「テニス&スキー」サークルみたいな軟弱なサークルに入って、そこで聖子ちゃんカットの彼女を見つけた。高校時代、恋い焦がれた後輩よりはずっと美人だった。
私はそもそも女性との接点がなかった。アルバイトでもバンドでもまわりは男ばかりだった。ロックラにはわずかに女性がいたが、親しくなる機会はなかった。ファーストフードなどでアルバイトをすればまた違っていたのかもしれない。
喘息の薬は相変わらず飲み続けていた。派手な発作もあった。
恋愛などは自分の実世界と違う次元にあるものだ、と諦めていた。