極私的デンデケデケデケ

音楽との出会いからバンド活動を辞め、社会人になるまでをつづっております

ダンスレッスン 4

2005-10-30 17:51:59 | Weblog
前回で「ダンスの才能がない」と書いたが、私はひとりでダンスの練習をすることはなかった。自己努力も足りなかったのである。夜の公園などで、ダンスの練習をしている若者達を見かけることがある。「Shall We ダンス?」の役所広司だって、夜の公園で練習していた。こういう努力をまったくしなかった。これは、私に限らず、青柳も池谷もそうだったと思う。週に一度のレッスンでは真剣にやるが、その後の復習をまったくしないまま翌週をむかえ、すべてを忘れてまたゼロのままレッスンを受けていた。毎回、ゼロリセットされていたわけで、これではうまくなるはずがない。ダンスに限らず、どんなことでも自分で練習しなければ、身にはつかないのだ。

ダンスの先生から学んだことをしっかりと日々練習していたら、パパイヤ鈴木になっていたかもしれない。

ダンスレッスンは事務所との契約が切れるよりもずっと前に「これ以上の上達は見込めない」という理由から終了となった。

「+B」の活動終了後、青柳は「唄って踊れる女性歌手」(系統でいえば、小柳ルミ子)のリサイタルに出たことがある。青柳はもっぱら唄専門で、踊りは「免除」されていた。

Shall We ダンス?
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ダンスレッスン 3

2005-10-29 08:09:48 | Weblog
レッスンは2時間程度で、ウォーミングアップから基本動作を学び、最後に曲に合わせて簡単な振り付けをつける、というのがパターンだった。

まるで、できなかった。先生はまじめに教えてくれたし、私も精一杯努力した。が、できなかった。2年はレッスンしたと思う。だが、できなかった。人にはそれぞれ、向き不向きがある。私にダンスは向いてなかったのだ。


実は、これは、青柳もそうだった。池谷もそうだった。「俺についてこれるか」と言っていた青柳はむしろ我々よりも「ダンス下手」だった。我々は毎週レッスンを受けた。はじめはなんとかなるだろうと思っていた先生も、次第に我々の才能のなさに気が付き、高度なことを望むことはできないと悟ったようだった。

ダンスレッスンというよりも、エアロビクスのようになり、トレーナー姿のさえない男3人がふうふう踊る姿は、ドリフターズ「8時だよ全員集合」の体操コーナーのようでもあった。洒落ていうならジャックニコルソンの「カッコ-の巣の上で」で登場人物たちが体操する姿に似ていた。

最終的にはキーボードの安斎も加わったが、安斎も同様だった。

レッスン場の入れ代わりでジャニーズのタレント達とすれちがうこともあった。
我々と身体のつくりが違っていた。

カッコ-の巣の上で
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ダンスレッスン 2

2005-10-27 23:25:03 | Weblog
「ダンスは簡単なものではない。浮ついた気持ちでやるのならばやらないほうがいい」というのが青柳の主張だった。また、「俺のレベルでレッスンは進行しているので、お前達に合わせることはできない」というようなことも言った。

池谷はどうか知らないが、私は「青柳ばかり若い女性とレッスンしてずるい」と思っていたくらいだから、もともと「浮ついた」気持ちである。が、まじめな青柳の許可を得るため、「真面目にがんばりますから、どうかいっしょにやらせてください」とお願いした。

レッスンは週1回程度のペースであった。レッスン場は新宿文化会館近くの「日本テレビ音楽学院」にあった。隣はゴルフ練習場だった。

先生はたしかに若い女性だった。「土居甫の一番弟子」というふれこみだった。自らもダンサーとして活躍し、アイドルやタレントのレッスンもしていた。

やってみて驚いた。

全然、できない。
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ダンスレッスン

2005-10-26 23:08:54 | Weblog
ダンスレッスンも感慨深い。よくあんなことしたなあ、と思う。

もともとは青柳ひとりがレッスンを受けていた。メインボーカリストとして、ダンスを身につけなくてはならない。青柳から申し出たことだったと記憶している。青柳は専門学校で役者の勉強をしたのだから、ダンスの基礎は一応あったようにも見えた。青柳ひとり時代がしばらくは続いた。聞けば、わりと大きな練習場で先生と一対一でやっているという。先生は若い女性だ。

おれたちもやらせろ、と言ってみた。青柳ひとり、若い女性とふたりきりでレッスンするなんてずるい、というのが理由だ。それに、青柳の説だと「すべての女性は俺に惚れる」ので、その先生が青柳に惚れてしまう。これは、いかんとなったわけだ。ジェニファービールスみたいな先生だったら、どうするのだ。

これに対し、青柳は難色を示した。
ジャニファービールス
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特典 3

2005-10-26 00:13:54 | Weblog
タイトルを「特典」としているのは、「事務所と契約したおかげで体験できたもの」という意味だ。モヒカンカットにしても、自分の金をはらってするか。

その他の特典は、個人的には「コンサートを無料で見れたこと」と「ダンスレッスンを受けたこと」であると思っている。「コンサート無料」は、事務所に届く業界招待券を利用したのではない。契約してしばらくして、「売れているアーチストを観て、参考にしろ」という名目(社長指示)で、どんなコンサートを観ても無料になった。正確にいえば、購入したチケットの領収書を後日精算してくれる仕組みになっていた。我々はこれを「チケット還付金制度」とよんでいた。

忘れてしまう程のアーチストのコンサートにこの時期行っている。コンサート自体、忘れて行かなかったこともあるくらいだ。

広瀬隆の「危険な話」を没頭して読んでいたら、その日がエルビスコステロのコンサートで、すっかり忘れてしまった。コンサート終了後、メンバーから電話が入り、ばかにされた。

「エルビスコステロよりも重要な読書をしていたのだ」と強がったが、激しく後悔した。今でも悔しい。

コステロのコンサートを忘れた大馬鹿者は私です。

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特典 2

2005-10-24 22:02:21 | Weblog
当時は、現在よりやせていて、髭を生やしていた。髭と頭頂部のみのモヒカン、「おしゃれ」だと言えないこともないが、どちらかといえば「モンゴル地方の辨髪」に近かった。私の顔は、モンゴル系なのでよけいにそう見える。池谷はおもしろがって、写真を撮った。

下宿に帰り、銭湯に行き、髪を洗った。視線を常に感じた。立てていた髪がヘナっとなると、古代中国の落ちぶれた武士のようでもあった。池谷の写真は、私が目をつぶっていたこともあり、「さらし首」のようだった。

帽子なしではまともに外を歩けなくなった。翌日の三越バイトはずっと帽子を被っていた。

バイトの翌日、近くの床屋に行ってモヒカン部を刈ってもらった。
老理容師は「なんでまた、こんな髪型にしたんです?」と聞いた。

見事な一厘刈りが出来上がった。だが、これで人目を気にしないで生活できるようになった。

私のモヒカンを作成した腕利き美容師はその後独立して、池谷は今でも家族ぐるみでカットをお願いしている。
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特典

2005-10-23 10:17:19 | Weblog
事務所は我々に対して、なにもしなかったわけではない。洋服は買ってくれなかったが、ヘヤーメイクはしてくれた。契約している美容師のところで、自由に散髪することができた。芸能人や表紙モデルのカットをよくしているところで、我々のような「デビューするかどうかもわからないやつら」をしてもらうのは悪い気が実はしていた。

そのせいでもないが、一度大胆な髪型をしたことがある。

頭頂部だけを一部残した「モヒカン」だ。美容師の腕はよく、みごとな過激モヒカンが出来上がった。

この時も池谷たちの口車に乗ってしまい、うかつにもしてしまった、というところが真相だ。軽い気持ちでやってしまったが、激しく後悔した。美容室にはお客が連れてきた子供もいて「あのおにいちゃん、へんー」と指をさされ、笑われた。お母さんが「笑ってはいけません」と叱っていたが、これがこたえた。その人がまた美人だったので、さらにこたえた。もしかしたら、その子供は小学館の「小学1年生」などの表紙モデルだったかもしれず、だとすれば、お母さんが美人なのもわかる。
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名画座

2005-10-20 22:22:44 | Weblog
1987年の日記に、「最近、映画館にあまり行ってない」と書いてあり、「むかしよく行った名画座」について書いている。当時から、ロードショーはあまり行かなかった。もっぱら名画座、2番館で旧作を観ていた。このブログ内でも、上京当時の映画館について書いているが、ここでもう一度「1980年から1985年あたりまで、よく行っていた映画館」について列記しておく。

大学近くの飯田橋「佳作座」「ぎんれいホール」と、「くらら」(ポルノ専門、ボロくて臭いと書いてある)
東京駅「八重洲スター座」(ヒッチコックをよく観た、と書いてある)
池袋「文芸座」「文芸地下」(一番よく行った名画座と書いてある)「テアトル池袋」「松竹名画座」(「松竹名画座」の前は「ピース座」といってヤクザものやポルノをよく観たと書いてある)「セレサ」「ロサ」(ポルノ専門から一般映画になったと書いてある)
新宿「ローヤル」渋谷「パレス座」(1987年には廃館となり、渋谷に名画座はなくなってしまった、と嘆いている)
大塚「大塚キネマ」「大塚名画座」(池袋から歩いて行ったこともある、なんて書いてある)
江古田「江古田文化」、上板橋「上板東映」、中野「中野武蔵野館」、早稲田「早稲田松竹」「パール座」なども。

映画館の場所がどこにあったのか、思い出せない映画館も多い。このうちのいくつかは現在も元気に営業している。

三越で働くようになってからは、銀座の「並木座」にもよく行っている。今村昌平特集のチラシが残っていて、「赤い殺意」や「豚と軍艦」をいい作品だと評価している。

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Wal Basses 2

2005-10-18 00:12:30 | Weblog
Wal はイギリスのメーカーで、基本的には職人の手作りである。裏面のパネルには作成者、作成日、材質などが記入されている。サーキット(回路)はアクティブで、独特な音がする。ことばで上手く表現できないが、JAPAN後期のベースラインはミックカーン+Walならではの音になっている。ベースは何?と聞かれ、Walだ、と答えて「私も持ってますよ」と言われたことはほとんどない。そんなメーカー知らない、と言われる方が多い。

浜松の楽器屋でフレットレスのネックを別注した。価格は忘れてしまったが、10万位はしたと思う。これで、フレットレスにすることもできるようになり、現在のフタガワグループではフレットレス限定で参加している。バナナコミュニティではフレットありのノーマルバージョンで参加していた。(フタガワグループ、バナナコミュニティは参加したバンド名です)

バナコミからフタガワグループまでは6年以上の期間が開いてしまい、出力ジャック、回路的にどうしようもなくなったので、池谷おすすめのリペアショップ、池袋の「フジゲン」でオーバーホールした。回路はかなりイカれていて、フジゲンはあまりエレクトリック回路のリペアが得意ではないらしく、了解の上、パッシブ回路に変更した。

独特の音はもう出ないが、ピックアップはそのままでありノーマルな落ち着きのある音が出る。長年のガリリからも解放されて、いい気分だ。
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Wal Basses

2005-10-16 16:39:20 | Weblog
ベースは谷口楽器で購入した。実際に払ったのは460000円の1割り引きで410000円あたりだったと思う。そんな大金はないので、ローンを組んだ。ローン返済記録が日記に残っていて、毎月15000円となっている。当時の最大分割は36ヶ月だったと思う。頭金ゼロの月々15000円、36ヶ月で540000円、そんなものだったか?

どうして、そんなに高価なWalにしたか、実は記憶があいまいである。フェンダーとかミュージックマンでもよかった。当時はデビットシルビアンのJAPANが好きで、そこのベーシスト、ミックカーンに影響も受けている。ミックカーンのメインベースはWalで、調べてみると、当時ポールマッカトニ-も使っていた。一応プロなんだから、一般の人は持っていないようなものにしよう、と思ったことはある。が、結局は池谷などに、「買え買え」とそそのかされて、あまり深く考えずに買ってしまった、というところが本音だ。

谷口楽器に陳列されていた2、3本のうちから、適当に選んで買ってしまった。あまり弾きやすいベースではなかった。ジャックはガリリ(接触が悪い)がひどく、もうひとつの出力、キャノン端子からもっぱらアンプにつないだが、こちらは出力が弱かった。

と、書くと、あまり深く考えずに結婚してしまって、うまくいかなくなってすぐに別れる若いカップルのようだが、そうではない。

いまもWalはわたしのそばにいる。



Wal basses
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