極私的デンデケデケデケ

音楽との出会いからバンド活動を辞め、社会人になるまでをつづっております

工業高校と就職事情 5

2018-10-27 11:21:53 | Weblog
一応は「学校推薦」なのだから、まず不採用はない。(と、思う)


面接でとんでもないことが起きるとか、内定決定までの間に不祥事を起こすとかで
ない限り、ほぼ「内定」する。

面接は2回あり、本人曰く「プロ野球の話などをした」そうで、それを聞く限りでは
ほとんど「世間話」である。

ともあれ、その後あっさりと内定が出た。



高校進学を「勉強が嫌いだから行かない。死ぬ」と言い、
就職を「まったく進路に希望がないから、死ぬ」と言っていた人間が、「優良」企業から
内定をもらうことになった。親としては、法外の喜びを感じる。


自分の経験からしても、昨今の職場事情からいっても、歴史ある大企業がイコール、
その人にとって「よい就職」かどうかはわからない。私は歴史ある一応は大企業に
分類される会社で23年間働いたが、私にとってその会社は「よい就職先」ではなかった。

しかし親として見れば、やはり会社は大きい方が安心安定の面から、喜ばしく思う。
この会社で地道に人生を歩んでいってほしいと思う。

このように工業高校には、まだ立派な「推薦枠を持つ企業」への就職制度があった。
ちなみに私の女房は、いまから30年以上前に、都立の商業高校を卒業したが、
やはり就職については

「就職課に行くと、ズラーッと就職先が貼りだされていて、どれにしようかなー、と
 自分の好みで選ぶことができた」そうである。 

そこには私が23年間勤務した会社もあれば、生保、金融、メーカー、百貨店、と
あらゆる有名企業があった。



女房は「お菓子を食べられそうだから、明治製菓もいいなと思ったけど、太ったら
困るのでやめた」そうである。


おわり







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工業高校と就職事情 4

2018-10-19 14:13:31 | Weblog
高校3年になると、そんな長男でも就職希望先が決まった。

「就職課」みたいな係りの教員から「この会社でどうか」と言われ、
「はい、そうします」と答えたのだそうだ。

こういう業界で働きたいとか、〇〇になりたいとか、そういう志望がまったくない
ので、先生の言われるままにその会社がどういう会社か、よく確認もしないで
決めてしまったように感じる。


長男の通っている工業高校では、生徒のほとんどが長男のように就職の道を歩む。

長年の「企業採用枠」とでも言おうか「この学校から毎年〇人は採用する」制度が
あって、「就職課」の教員は学生の希望や資質や成績などを考慮して、
「この生徒はこの会社」と決めていくのだと思う。

長男の学業成績がどれくらいだったかはわからないが、女房の指導のおかげで
インフルエンザ以外で学校を休んだことはないし、いやいやながらも部活は
続けた。夏休みや冬休みの課題もなんとか提出していた。そこそこの内申点は
あったのだろう。

「高卒採用枠」を持つ会社というのは、優良で歴史のある会社のように感じる。

「高校卒業生を毎年一定数採用し、社内で一人前の技術職専門職に育成する」ことは
日本型企業の古くからあったスタイルで、その会社の度量の大きさを物語っている。

「即戦力を求め、必要なくなったらすぐ解雇」のような欧米型グローバル企業とは
対極にあるように感じる。

どちらがいいのかは、議論の分かれるところだろうし、現代日本は政府の主導もあり
欧米型に振れているとも思うが、個人的には「従来日本型」企業もこれはこれで
いいと思う。


長男が勧められた会社については、まったく知らない会社だった。

しかし、ネットで調べてみると、創立は1946年、従業員は1000人を超える上場企業だった。


つづく

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工業高校と就職事情 3

2018-10-14 15:46:20 | Weblog
長男は居酒屋でアルバイトもしたが、すぐに辞めてしまった。
級友から誘われたアルバイトであったが、その時も

「俺は接客業に向いてないことがわかった」などと言っていた。

高校2年になり、そろそろ就職のことを考えないといけない。
興味のある職種とか、希望はないのだろうか。

まったくない、と言う。

「就職について、まったく何も志望がない。将来の夢も希望もない。
 もう死ぬしかない」と言う。

本人は、「半澤直樹」とか「下町ロケット」などをよく見ていたので
ドラマで登場するような地元の町工場で、自分のしたい仕事をするのも
いいではないか、と言ってみたが、

「そのような、小規模の会社で頑張るというのにも、まったく興味がない。
 つまりは何もビジョンがない」と言う。

親としては今回も死なれては困るので、前回のパワポでもよかったが、
手紙を書いてみた。

毎度、自分で言うのもなんだが、ここで発表したいくらいの名文が出来上がった。
しかし、それを当人が読むことはなかった。

「そんなもの、恥ずかしくて読めるか」と女房に言ったそうだ。


このまま、就職もせずニートになってしまったら、困るなあと思った。


つづく







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