極私的デンデケデケデケ

音楽との出会いからバンド活動を辞め、社会人になるまでをつづっております

village2

2013-07-05 22:23:34 | Weblog
青柳の店に行った。

開店祝いにギターを買うつもりだったので、西村に車を出してもらった。
買ったばかりのスバルインプレッサが家まで迎えに来た。いたれりつくせりである。

店に着くと、初めてギターを買おうとしている真面目な中年の川島さんがいた。
川島さんと私達は当然にして初対面である。

「いいギターを買ってくださいねー。今後もご贔屓に」と私が言うと、青柳は「こいつらは
ひやかしですから、どうぞ気にしないでください。お前たちは奥に行っていろ」などと
ひどいことを言う。

お祝いにギターの1本でも買ってやろうかというのに、あまりの対応だ。

開店を私達に知らせてくれた井熊も「なかなかあの店ではギターを買えない。売ってくれない」
と言っていた。前途多難である。

奥の事務室のようなところに行くと、宮野(高校の同級生)がいた。
何をしに来たのだろうか、宮野は。

奥の事務室で私と宮野と西村で時間をつぶしたわけだが、特に盛り上がるわけでもない。
「本気の客」、川島さんはなかなか帰らない。やっと帰ったときは1時間以上も経っていた。
しかも、買ったわけではなく、「次来た時に決めるから、とっておいて」という
「商談中」になっただけだった。

青柳もまったく商売っ気がなく、「決心がついたら、また来てくださいね」などと言っている。

私は帰宅しなければならない時刻が迫り、あわててギターを選ぶ結果となってしまった。

もともと「お祝いで買う」つもりなので、あまり高価な物も買えない。2万円以内で適当に
買おうと決めていた。小型の中古でそこそこのものがあれば、いいかなーと思っていた。
楽器は青柳じゃないが、じっくり時間をかけて選ぶものです、本当は。

数日前、これまた「初めてギターを買う」という女子大生が来店し、散々迷ったあげく
買わなかった方のアリアプロの小さなフォークギター(中古)があったので、これでいいかと
思い、これにする、と言うと、もっと他のギターも弾いてみろと言われる。

西村も高価なマンドリンを持っているので、いろいろと言う。何本か弾いてみた。昔の
ヤマハのフォークギターや最近のキャッツアイなど。

その中で、店主のすすめるキャッツアイの新品がちょっとよかった。と言っても、定価20000円
のギターである。一番安いやつである。

井熊は「鈴木バイオリン、トーマスブランドがいいぜ」と言っていた。トーマスは昔
「君もギターが弾けるようになって女性にモテよう」という通信販売で売られていたブランド
だった気がする。(間違っていたらすみません)

結局、キャッツアイの一番安いやつを買ってしまった。

家に着いてから、キャッツアイの一番安い新品はべつに青柳の店でなくても、どこでも
買えるし、どうせならば、ヤマハの中古やアリアの中古を買ったほうが意味があったのではないか、
と思った。高校時代キャッツアイが流行り、買いたいな、と思ったことがあるにはあるのだが。

50歳を超えた今、20000円の最低グレードのギターを買う意味はあるのか、と後悔した。

だが、見方を変え、「お祝いとして購入した」とすれば、それはそれで意味があるのでは
とも思うのだった。

愛着のない楽器は買い主にも楽器にとっても不幸な未来しかない。この20000円のキャッツアイも
そのような運命を辿ることにはなるだろうが、「ご祝儀だったのだから」と言い訳をしながら接していこう。


もっとも、楽器としてのポテンシャルとしては、30年前のヤマハFGよりもアリアプロの「こんなの
作っていたのかフォークギター」よりも、弾いてはいないが「鈴木バイオリン トーマス」よりも
上だとは思っている。




コメント
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