先日紹介したヒューメインインターフェースという本を読み終えた。
ヒューメインインターフェース - 温故知新~温新知故?
この夏休みに読んだ形だ。
やはりなかなか興味深い本だった。
インターフェースを考えるとき読んでおいた方がいい本だろう。
内容は以下の目次を見るとかなり想像できるだろう。
ヒューメインインターフェース
イントロダクション:基本の重要性
第1章 背景
1.1 インタフェースの定義
1.2 単純なものを単純なままに
1.3 人間中心のデザインとユーザ中心のデザイン
1.4 デザイン革新の足を引っ張るツール
1.5 デザイン段階におけるインタフェース・デザイン
1.6 ヒューメイン・インタフェースの定義
第2章 認知工学と注意の所在
2.1 人間工学と認知工学:何ができて,何ができないのか
2.2 認知的意識と認知的無意識
2.3 注意の所在
第3章 意味,モード,モノトニー,そして神話
3.1 専門用語と表記法
3.2 モード
3.3 名詞-動詞形式 VS. 動詞-名詞形式
3.4 可視性とアフォーダンス
3.5 モノトニー
3.6 初心者-熟練者への二分化という神話
第4章 定量化
4.1 インタフェースの定量的な分析
4.2 GOMSキーストローク・レベル・モデル
4.3 インタフェース効率性の測定
4.4 Fittsの法則とHickの法則
第5章 統一化
5.1 統一性と基本動作
5.2 基本動作の分類
5.3 ファイル名とファイル構造
5.4 文字列検索と検索メカニズムン
5.5 カーソルのデザインとセレクションを行う際の戦略
5.6 カーソルの位置とLEAP
5.7 アプリケーションの廃止
5.8 コマンドとトランス
第6章 ヒューメイン・インタフェースにおけるナビゲーションとその他の観点
6.1 直感的なインタフェースと自然なインタフェース
6.2 より良いナビゲーション:ZoomWorld
6.3 アイコン
6.4 ヒューメイン・インタフェースにおけるテクニックとヘルプ機能
6.5 ユーザからの書簡
第7章 ユーザ・インタフェース以外に横たわっているインタフェースの問題
7.1 より人に優しいプログラミング言語環境
7.2 モードとケーブル
7.3 インタフェース・デザインにおける倫理と管理
第8章 終わりに
付録A ボタン・マウス:その歴史と未来
SwyftCardにおけるインタフェース操作理論
さて、私の印象に残った言葉は以下の通り
1.今どういう状態なのかをユーザに認識させるようになっていなければいけない。
つまり今ロック状態なのか?ロック状態でないのか?
サイレントモードなのか。そうでないのか?など
2.実行してよろしいですか?と聞かれ、いちいち YES or NO と入力する煩わしさに慣らされている。
本の言葉を借りると、固定された回答を要求するすべての確認手順は、すぐに使い物にならなくなる
本来、通常は必要ないはずなのに。
3.本書によれば、「インターフェースを使用している際にコンピュータが予期しない動作をした場合、パニックになればなるほど、ヒント、ヘルプ・メッセージ、その他のユーザ補助を調べなくなる」
うん、なるほど!。
4.「少ないボタン数や、より単純に見えるコントロールが、常によいものであるとは限りません。この教えは道具や電気製品と同時に、画面のデザインについても言えるのです。」
これは、結構私には目から鱗だった。気をつけないと!。
シンプルイズベストではない!。
5.「習慣というものは、「眼を閉じていても操作できる」という点を特徴として挙げることができます。」
なるほど!。
6.「インターフェースはユーザの感情に対して適応すべきであり、MicrosftBobのように、ユーザの個性に応じたインターフェースをあつらえるようになるべきである」
MicrosftBobについては私はよく知らないけど。
今少しインターフェースがらみの仕事をしていて、この言葉はまさに言い得て妙である。
7.「うまくデザインされたヒューメイン・インタフェースでは、初心者向けと熟練者向けのサブシステムに分ける必然性が無くなるのです。」
これも、今関わっている仕事の上で、肝に銘じていかなければいけないこと。
8.「プログラムが簡単になるように私たちの言語規約を変更するのではなく、私たちのやり方で動くように機械を歩み寄らせなければならないのです」
この言葉は、常日頃プログラマー達に思い続けていたこと!。
この本でも書かれていた!。やはりそうなんだよね。
9.その他
「適切なファイル名を考え出すことはユーザーにとって非常に大きな負荷となります。ファイル名にもっともふさわしいのは、おさめられたコンテンツそのものなのです。」とか
「システムはあなたのコンテンツに危害を加えてはならず、あなたのコンテンツに危害が加えられることを看過してはならない」とか(アシモフのロボ三原則のもじり)
以下の言葉がキーワードとなって書かれている。
モードレス
モノトニー
強力な(テキスト)検索
ナビゲーション
どなたかも、ウエブで書かれていたけど。
これまで、当たり前と考えてきたインターフェースの欠点を的確に指摘している。
いままで、漠然と感じていたことが、はっきりと認識できたということだ。
いい本だった。
この本に全面的に賛成というわけではないので、今後、この本で参照されている本も数冊読んでみたい。
以下のサイトでも途中まで逐次丁寧に内容が紹介されている。
Suzuki Lab wiki - ヒューメイン・インタフェース
Suzuki Lab wiki - ヒューメイン・インタフェース::背景
以下アマゾンの本紹介の読者コメントからの引用
この本は現時点で「中立的」とされている考え方や、(本当はあたりまえではないのに)「常識」となっている考え方に対する反論として書かれていると私は思います。
「機能ごとにスイッチをつけよう」という一見極端な主張は、「スイッチが少ないほどエレガントである」という未だに信奉者が多い考え方に対する反論として誇張されて書かれていると感じました。
現在の所,インターフェースに関しては,ウソがまかり通っている.「直感的で使い易いインターフェース」などは存在しない.「GUIだから使い易い」「アイコンだから簡単に見ただけで使える」「マウスは初心者にも使える」もウソ.「ペン入力インターフェース」についても同様.「ダブルクリック」は本質的に使いにくい.中でも最悪のウソは「誰にでも予備知識無しでも簡単に使えるインターフェース」.そんなものはこの世に存在しない.そんな主張をする者がいれば,それは無知か嘘つきだと考えて間違いない.
ヒューメインインターフェース - 温故知新~温新知故?
この夏休みに読んだ形だ。
やはりなかなか興味深い本だった。
インターフェースを考えるとき読んでおいた方がいい本だろう。
内容は以下の目次を見るとかなり想像できるだろう。
ヒューメインインターフェース
イントロダクション:基本の重要性
第1章 背景
1.1 インタフェースの定義
1.2 単純なものを単純なままに
1.3 人間中心のデザインとユーザ中心のデザイン
1.4 デザイン革新の足を引っ張るツール
1.5 デザイン段階におけるインタフェース・デザイン
1.6 ヒューメイン・インタフェースの定義
第2章 認知工学と注意の所在
2.1 人間工学と認知工学:何ができて,何ができないのか
2.2 認知的意識と認知的無意識
2.3 注意の所在
第3章 意味,モード,モノトニー,そして神話
3.1 専門用語と表記法
3.2 モード
3.3 名詞-動詞形式 VS. 動詞-名詞形式
3.4 可視性とアフォーダンス
3.5 モノトニー
3.6 初心者-熟練者への二分化という神話
第4章 定量化
4.1 インタフェースの定量的な分析
4.2 GOMSキーストローク・レベル・モデル
4.3 インタフェース効率性の測定
4.4 Fittsの法則とHickの法則
第5章 統一化
5.1 統一性と基本動作
5.2 基本動作の分類
5.3 ファイル名とファイル構造
5.4 文字列検索と検索メカニズムン
5.5 カーソルのデザインとセレクションを行う際の戦略
5.6 カーソルの位置とLEAP
5.7 アプリケーションの廃止
5.8 コマンドとトランス
第6章 ヒューメイン・インタフェースにおけるナビゲーションとその他の観点
6.1 直感的なインタフェースと自然なインタフェース
6.2 より良いナビゲーション:ZoomWorld
6.3 アイコン
6.4 ヒューメイン・インタフェースにおけるテクニックとヘルプ機能
6.5 ユーザからの書簡
第7章 ユーザ・インタフェース以外に横たわっているインタフェースの問題
7.1 より人に優しいプログラミング言語環境
7.2 モードとケーブル
7.3 インタフェース・デザインにおける倫理と管理
第8章 終わりに
付録A ボタン・マウス:その歴史と未来
SwyftCardにおけるインタフェース操作理論
さて、私の印象に残った言葉は以下の通り
1.今どういう状態なのかをユーザに認識させるようになっていなければいけない。
つまり今ロック状態なのか?ロック状態でないのか?
サイレントモードなのか。そうでないのか?など
2.実行してよろしいですか?と聞かれ、いちいち YES or NO と入力する煩わしさに慣らされている。
本の言葉を借りると、固定された回答を要求するすべての確認手順は、すぐに使い物にならなくなる
本来、通常は必要ないはずなのに。
3.本書によれば、「インターフェースを使用している際にコンピュータが予期しない動作をした場合、パニックになればなるほど、ヒント、ヘルプ・メッセージ、その他のユーザ補助を調べなくなる」
うん、なるほど!。
4.「少ないボタン数や、より単純に見えるコントロールが、常によいものであるとは限りません。この教えは道具や電気製品と同時に、画面のデザインについても言えるのです。」
これは、結構私には目から鱗だった。気をつけないと!。
シンプルイズベストではない!。
5.「習慣というものは、「眼を閉じていても操作できる」という点を特徴として挙げることができます。」
なるほど!。
6.「インターフェースはユーザの感情に対して適応すべきであり、MicrosftBobのように、ユーザの個性に応じたインターフェースをあつらえるようになるべきである」
MicrosftBobについては私はよく知らないけど。
今少しインターフェースがらみの仕事をしていて、この言葉はまさに言い得て妙である。
7.「うまくデザインされたヒューメイン・インタフェースでは、初心者向けと熟練者向けのサブシステムに分ける必然性が無くなるのです。」
これも、今関わっている仕事の上で、肝に銘じていかなければいけないこと。
8.「プログラムが簡単になるように私たちの言語規約を変更するのではなく、私たちのやり方で動くように機械を歩み寄らせなければならないのです」
この言葉は、常日頃プログラマー達に思い続けていたこと!。
この本でも書かれていた!。やはりそうなんだよね。
9.その他
「適切なファイル名を考え出すことはユーザーにとって非常に大きな負荷となります。ファイル名にもっともふさわしいのは、おさめられたコンテンツそのものなのです。」とか
「システムはあなたのコンテンツに危害を加えてはならず、あなたのコンテンツに危害が加えられることを看過してはならない」とか(アシモフのロボ三原則のもじり)
以下の言葉がキーワードとなって書かれている。
モードレス
モノトニー
強力な(テキスト)検索
ナビゲーション
どなたかも、ウエブで書かれていたけど。
これまで、当たり前と考えてきたインターフェースの欠点を的確に指摘している。
いままで、漠然と感じていたことが、はっきりと認識できたということだ。
いい本だった。
この本に全面的に賛成というわけではないので、今後、この本で参照されている本も数冊読んでみたい。
以下のサイトでも途中まで逐次丁寧に内容が紹介されている。
Suzuki Lab wiki - ヒューメイン・インタフェース
Suzuki Lab wiki - ヒューメイン・インタフェース::背景
ヒューメイン・インタフェース::背景
以下アマゾンの本紹介の読者コメントからの引用
この本は現時点で「中立的」とされている考え方や、(本当はあたりまえではないのに)「常識」となっている考え方に対する反論として書かれていると私は思います。
「機能ごとにスイッチをつけよう」という一見極端な主張は、「スイッチが少ないほどエレガントである」という未だに信奉者が多い考え方に対する反論として誇張されて書かれていると感じました。
現在の所,インターフェースに関しては,ウソがまかり通っている.「直感的で使い易いインターフェース」などは存在しない.「GUIだから使い易い」「アイコンだから簡単に見ただけで使える」「マウスは初心者にも使える」もウソ.「ペン入力インターフェース」についても同様.「ダブルクリック」は本質的に使いにくい.中でも最悪のウソは「誰にでも予備知識無しでも簡単に使えるインターフェース」.そんなものはこの世に存在しない.そんな主張をする者がいれば,それは無知か嘘つきだと考えて間違いない.