梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記22・『あと一週間です』

2006年02月19日 | 芝居
様々な課題と戦いながら(打ち負かされてばかりの気もいたしますが…)の博多座公演も、もうすぐゴールが見えてきました。少しでも前進! と自らに檄を飛ばすものの、やはり出の前には余計に緊張したり、ドキドキしたり。一幕終わって『今日はよかった!』と自分で納得いく日が来るように、まだまだ努力致します。

九州地方は最近やっと寒くなってきたようです。表に出ると、朝晩の風が身にしむようになりました。それでも、マンションが新しいせいか、室内には冷気が入ってこないのでエアコンを少しかけるくらいで十分、寝るときのために家から持ってきた電気毛布は使わずに済んでいます。楽屋も暖房で暑いくらいで、寒がりの私としては有り難いことですが、空気の乾燥には気をつけねばなりませんね。

昨晩はとある幹部俳優さんのお食事会に、一門共々ご招待頂き、美味しいうどんすきをご馳走になりました。モチモチの麺が旨味たっぷりのダシを吸い込んでいて、まさしくこの鍋の主役、という感じ。いっぱい食べさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
…しかしまあ、このところの外食続き。お酒も結構飲んでますから、身体の方で悲鳴を上げないか心配になってきました。今後は食事はともかく、お酒の方は控えめにいたしたいものですが、本日は後輩や衣裳さんと共に、大名という地区にある『太助』という居酒屋さんへ行ってまいりました。新鮮な魚が味わえるお店ということで足を運んだわけですが、聞きしに違わず、生簀から揚げたての、まだピクピク動いているお造りや、手作りの塩辛、濃厚な白子。その他にも、飾らずシンプルな料理に舌鼓を打ちながら、<晴耕雨読><天使の誘惑><萬年>といった焼酎を味わうことができました。
話題もどうしてもお芝居関係になってしまいます。日々の反省も含めて、どうしたらもっといい舞台を勤めることができるか。そんなことばかり話し合っておりました。

…仕事が終わってからの、本来ならば息抜きのための食事の場でも、ともすれば仕事の話になってしまうことはしばしばです。気が変わらない、といってしまえばそれまでですが、逆に考えれば、こういう時こそ、普段できない仕事上の話ができたり、衣裳さんや床山さんといった、違うジャンルで働く人たちから、貴重なお話を聞くことができるよき機会ということができるというものです。お互いが協力しあってこそ成り立つ世界ですから、私たち役者がどんなことに気をつけねばならないのか、相手は何を注意すればよいのか。指摘したり教えられたりで、毎日の舞台が勉強であることに気づかされるのは、こんな風にお酒を交えてのときとなることもままございます。

明日も大事なイベントがあって外食となりそうです。おってご紹介いたしますね!

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2 コメント

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見習いたい・・・。 (アコ)
2006-02-20 21:18:08
梅之さんの謙虚を見習わなければいけないな、とブログを読んでいて思いました。



うまく行かないことは生きていれば多々ありますよね。何故上手く行かないかをきちんと見つめなおす姿勢を見せねば!



勉強になります。

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アコ様 (梅之)
2006-02-21 16:20:00
私は謙虚でもなんでもないのです。反対についつい自信過剰になって周りとの調和を乱しがちなくらいです。それを戒めるために、今はとにかく自分をおさえることを忘れずにいようと思っているんですが、なかなか辛いですね。ともすればかえって内向しすぎちゃって「考え過ぎ」と言われちゃうこともあって、<ほどほど>を保つ難しさを痛感しております。
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