梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

沖縄旅日誌2

2010年05月10日 | 芝居
9日から13日までの、石垣・沖縄本島旅行の記録です。(5月20日 記)

10日 曇り一時小雨 『アトラクションアイランド西表』

昨日は微笑んでくれた神様も、さすがに表情筋が疲れたのか、朝からどんよりとした空模様。
どうか降らないでくれと願いながら、午前8時半過ぎに石垣港から高速船に乗って目指すは西表島。「西表観光センター」のツアーに参加し、半日かけて島を満喫することにいたしました。
この高速船、約40キロ離れた西表北部の上原港まで、50分で着くのですが、マァその揺れ方たるや! おりからの強風もあって波もかなり高く、船窓に激しく波しぶきが叩き付けられ、エンジンの轟音とともに右へ左へ上下へ、うねるように波間を進む船内の感覚は、ビックサンダーマウンテンとスプラッシュマウンテンを合わせて煮詰めたようなもの。それが50分続くのですからね…。最初は笑っていた私も、終盤はかなりやられました。
聞けば、我々が上原港に到着したあと、この航路は状況不良のため終日欠航となったとか!

上原港からは貸し切りバスで、島の北西にある浦内川へ。入江から川上の船着き場までの8キロを遊覧船で上ります。
沖縄県内最長というこの川は、川幅も広く水量も豊富。広大な入江の両岸にはマングローブ林がひろがり、まさに“亜熱帯”の景色。
「この前、この川をイリオモテヤマネコが泳いで渡る姿が目撃されました。今日ももしかしたら会えるかもしれませんよ」なんて地元の船員さんがおっしゃってましたが、そういうことがあっても不思議ではない雰囲気。複雑なラインを描くマングローブの気根、大シダは茂り、アダンは実る。



スゴいところへ来てしまった! そんな思いを抱くうち、はや船着き場へ。今度は<マリユドゥの滝>を目指すトレッキングです。
森の中へ入りますと、空気の違いに驚きます。曇天だからということもあるのでしょうが、たっぷりの湿り気と土の匂い緑の匂いを含んだ“濃い味”。
深呼吸をするほどに、体が綺麗になってゆくような“気がする”のでした。
数日前の雨のせいで、道は最悪(粘土質の地盤なので、かなりドロドロ)でしたが、30分ほどで目的地へ。



この滝は<日本の滝100選>にも選ばれております。「マリユドゥ」というのは、「丸い淀み」という意味だそうで。


ここから30分ほど先には、<カンビレーの滝>もあるのですが、「天候、足場が悪いので、今日はおすすめできない」と先の船員さんはおっしゃる。しかし、せっかくはるばる来たのだから頑張ってみようじゃないかと、ツアーの3分の1くらいが、さらに奥へと進みました。なるほど、道はもっと悪くなり、木の根岩角水たまり、ときに滑り、あるいは躓き、気温が低かったからよかったようなもので、これが晴天でしたら暑さも加わって散々な道中だったでしょうね。
ようよう辿り着いたカンビレーの滝は、高低差はないですが、幅の広さ、水量(これも前日までの雨で増えていたわけで)、迫力は満点です。マリユドゥの滝より、かなり近づいて見ることができるのがいいです。



膝がゲラゲラ笑う帰り道。いつしか靴もドロドロ。しかし大満足。
再び船で入江に戻り、近くのレストランで沖縄尽くしのお弁当。青パパイヤの煮物なんて、いいお味でした!

星砂の浜を経由してから、ツアーは2班に分かれます。由布島へ渡る班と、<西表島温泉>に行く班で、私はもちろん温泉です!
巡業を利用して、全国の温泉を満喫していますが、こちらはなにせ「日本最南端」と「日本再西端」の温泉があるわけで、立ち寄らないわけにはいかないのです。
小一時間バスに揺られて到着した温泉は、リゾートホテルに併設されたもの。「田舎の温泉旅館」的なものを想像していたのでちょっと驚き。でも建物自体は綺麗で清潔感がありました。ナトリウム・カルシウム硫酸塩泉。男女に分かれた内風呂と、水着着用で入る混浴の露天風呂がございまして、この露天風呂が、大自然に囲まれながら温泉を楽しめて,開放感は抜群。先ほど申した最南端・最西端の温泉も、この露天の中にございます。
家族連れのお客が多く、記念写真を撮ったりと楽しそう。私も最南端の湯船に浸かってパシャリ…しかし私の水着姿なぞ誰も見たくないでしょうから掲載はいたしません。

トレッキングの疲れもとれ、再びバスで南東部の大原港。行きはたまらなかった高速船も、帰りはぐっすり眠ってクリア。
海、川、山、滝、天然のアトラクションを満喫し、温泉まであって。
またまたカルチャーショック、ワクワクドキドキ心が動くこの感覚。
旅の醍醐味ですね。

             ◎

夜は石垣在住の、家内の友人と食事。この方、もと某劇場の大道具さんだったんですが、旅行で訪れた石垣の魅力にとりつかれ、家族ともども移住なさったという経歴の持ち主。今は泡盛メーカー『請福酒造』(←クリックして下さいね)で働いてらっしゃいます。おすすめの居酒屋『南風(ぱいかじ)』でオオワニワタリのサラダ、イカスミチャーハン、フーチャンプルー、アオサの天ぷらなど(どれも本当に美味しい!)を頂きながら、お酒は当然ご自分の会社の<請福>を。飲みやすいけれど味わいもある、普段使いにオススメの泡盛です。
島へ移られて4年くらいだそうですが、住んでみてわかったこと、驚いたことよかったこと、いろんなエピソードをうかがえまして大変面白かったです(引っ越しの時の“沖縄時間”の話なんて!)。

請福酒造の商品は、もちろん東京でも手に入りますが、石垣の泡盛専門店『泡盛屋』がネット通販もしていますのでオススメです。石垣にいらっしゃった時も、是非お訪ね下さいませ。本当に安くてよい泡盛に出会えますよ!



続く


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