梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

熊谷でした

2010年07月15日 | 芝居
最近“暑い街”としてのPRも盛んな熊谷。<埼玉県熊谷会館>での2回公演でした。
高崎から新幹線での移動ということで、出演者、スタッフの大半が<だるま弁当>を昼食用に買っていました。もちろん私も…。
子役さんたちは<キティちゃんだるま弁当>を。へ~、そんなのもあるのねェ。

太陽は顔を見せず、炎天下の苦しみはなかったものの、どんよりとした空模様、蒸し暑さがすさまじい!
さすが熊谷、というわけでもないのでしょうが…。

さて、夜の部では『雨の五郎』と『近江のお兼』という舞踊2演目が上演されております。
両方とも、カラミとの立廻りが見せ場のひとつになっていまして、『雨の五郎』は曽我五郎の大磯の廓通いの風景ですので浴衣姿の“廓の若い者”、『近江のお兼』では琵琶湖畔が舞台ということで“漁師”がからむようになっております。
『近江のお兼』も、浴衣姿の“若い者”がからむ場合が多うございますが、今回は、最初に上演される『雨の五郎』が“若い者”で決まっているので、それと“つく”ことを避ける意味もあり、“漁師”となっています。そういう事情がなくても“漁師”にすることももちろんありますから、主演者や振付のご意向で決められるものとお考え下さい。

『雨の五郎』は今回カラミが1人というやり方で、これは私は初めて拝見いたしました。
『近江のお兼』も、舞台機構の関係(花道揚幕にスペースがない)等で、本興行ならお定まりの馬が出せないので、そのぶん4人のカラミとの立廻りをたっぷりとみせ、変化をつけています。(お兼が晒を振り続けている間に4人がグルグル動いているあの技は“味噌摺り”というのです)
両方ともに、弟弟子の梅秋が出演しております。負担も大きいのでしょうけれど、トンボの調子も良いようで、活躍しております。
立役の頃の私は、トンボも立廻りも不得意でしたが、兄弟子の梅蔵さんは名人でした(名題になられたので過去形になってしまいましたが)。梅秋が、梅蔵さんから色々引き継いでくれたら嬉しいです。

怪我なくひと月勤めおおせて欲しいです。皆様もどうぞご声援のほど、お願い申し上げます。

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