梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

<乱歩歌舞伎>体験日記・第六夜

2009年10月02日 | 芝居
当初の予定だった、午前11時からの<初日通り通し舞台稽古>を午後1時にずらし、まず大道具の<転換稽古>を行うことに。
基本的に大道具さん照明さん音響さん中心の稽古ですが、昨日大変だった洪水シーンは、転換に関わっていることなので我々も入ってもう一度。
またまた変更点があり、ついてゆくのが精一杯でしたが、おかげでよい方法が見つかりました。こういうものも、やっぱり数やらないとわからないのですねえ。

そんなこんなでいろいろ直してゆくうちに、午後1時の舞台稽古開始予定が2時になり、さらに3時に変更…。
これも新作を生み出すための苦労の一つでしょうか。この時期、我々は<待つ>のも仕事です…。
さあ、初の<通し舞台稽古>ということでしたが、マア本当にあれよあれよと進んでゆく! 今までは場面ごとになんとなく空き時間が合ったから、それを利用して衣裳替えをおこなったり、師匠の用事をしたり一息ついたりしていましたが、そんな余裕なんぞどこにもありゃしません。
最初の出番を終えて着替えて師匠を舞台に送り出してその間に自分の次のこしらえしてそれが終われば黒衣になって…。
当初のプランでは間に合わない、手が足りないところも多々! 一門総出の分担作業、もう一度組み立てなおさなくては…ハァァ…。

多少の課題点はございましたものの、最後までたどり着くことができましたが、ドッと疲れが。
うん、持久力より瞬発力が必要な芝居だな、これは。
テンション上げて頑張ろう!

              ◯

<乱歩歌舞伎>は初めての参加ですが、歌舞伎のもつ様々な要素が各場ごとに繰り広げられる感じが新鮮です。

現代的な群舞もあれば、常磐津の振り事もある。
新歌舞伎かとおもえば、義太夫も入る。
S・Eも存分に使うけど、下座もあしらう。
特殊効果、現代技術のオンパレードでも、浪布も用いるし黒衣も出る。

明日はゲネプロっていうんですか? 公開舞台稽古です。
『人間豹の最期』の一端を、垣間みることができると思います。
テレビや新聞を要チェックです!


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