梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

『研辰』稽古場だより・壱

2005年04月26日 | 芝居
さあ今日から『研辰』の稽古です。昨日は稽古の前に向島百花園に行こうと思っておりましたが、午前中はあいにく空が曇っておりました。花の写真撮影が目当てだったので、これではいい写真が撮れなかろうと、見送りました。
結局家事全般をこなして、二時に家を出ました。そのころから天気が良くなり、もう少し早く晴れてくれたらなと思いましたが、稽古場であるすみだパークスタジオについて間もなく、一天にわかにかき曇り、突然の落雷! 雨まで降り出したのには驚きました。前線が通り過ぎたのですね。
さて三時から、まず群集の稽古。この芝居は群集の動きが大事です。基本的には初演と同じメンバーで、経験者も多いのですが、初めて出る人もおりますから、全体の流れと、居所、演技のキッカケなどの説明、確認からはじまりました。群集の登場場面は多いので、全部の打ち合わせが終わったのは五時。それから幹部俳優さんが合流し、改めて最初からのお稽古の始まりです。
再演とはいえ、四年前と変わらぬ熱気です。演出の野田秀樹さんも、「二度目だけれど、過去をなぞるのではなく、新しいものを創る気持ちで」とおっしゃっていましたが、皆さんセリフ回しにしても動きにしても、新しい工夫をこらしてらっしゃいました。可笑しみの場面では、思わず吹き出してしまうような怪演もくりだし、その場に出ていない役者達もついつい見入ってしまいます。

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