『不忍池で傷害事件発生!』
本日夕刻、上田藩江戸屋敷御用役、増田正蔵(51)に、何者かが出刃包丁を投げつけ、左目を負傷させるという出来事があり、目下犯人を捜索中。上記写真は犯行現場に落ちていた凶器の出刃包丁――。
ふざけた書き出しで申し訳ありません。『出刃打お玉』から、小道具の<出刃包丁>についてちょっとお話をいたしたいと思います。
音羽屋(菊五郎)さんが演じていらっしゃるタイトルロール、お玉が鮮やかに投げる出刃包丁。狙いは外さず百発百中、腐れ縁の男を驚かしてお灸を据えたり、自分が<初めての女>となった青年の窮地を救ってあげたり、ときには恨みの刃ともなったりいたします。
ふつう小道具であつかう包丁などの小型刃物類は、木などのごく軽い素材で作った全くのニセモノですが、今回は少々手のこんだ誂えとなっております。従来の小道具の包丁では、舞台に落とした(あるいは落とす)とき、いかにも作り物然とした、軽い音がしてしまいます。刃自体が木製なのですから当然なのですが、こと今回の芝居では、出刃包丁自体がお芝居全編の大切なアイテム。よりリアルな質感、持ったときの重量感を出したいということで、本物の出刃包丁を用意し、刃を削って落とした上でさらにコーティングを施し安全を確保、最後に舞台ばえするように着色(血糊も含む)したものを使っております。
そういう品ですので、持ってみるとズシリと重みが伝わってまいりますが、種々の要望、課題に確実に応える小道具方の皆様のご工夫、創意の素晴らしさを、あらためて感じるひと品だと思います。
実際舞台でどのように使われているかは、ご覧になってからのお楽しみでございます。
本日夕刻、上田藩江戸屋敷御用役、増田正蔵(51)に、何者かが出刃包丁を投げつけ、左目を負傷させるという出来事があり、目下犯人を捜索中。上記写真は犯行現場に落ちていた凶器の出刃包丁――。
ふざけた書き出しで申し訳ありません。『出刃打お玉』から、小道具の<出刃包丁>についてちょっとお話をいたしたいと思います。
音羽屋(菊五郎)さんが演じていらっしゃるタイトルロール、お玉が鮮やかに投げる出刃包丁。狙いは外さず百発百中、腐れ縁の男を驚かしてお灸を据えたり、自分が<初めての女>となった青年の窮地を救ってあげたり、ときには恨みの刃ともなったりいたします。
ふつう小道具であつかう包丁などの小型刃物類は、木などのごく軽い素材で作った全くのニセモノですが、今回は少々手のこんだ誂えとなっております。従来の小道具の包丁では、舞台に落とした(あるいは落とす)とき、いかにも作り物然とした、軽い音がしてしまいます。刃自体が木製なのですから当然なのですが、こと今回の芝居では、出刃包丁自体がお芝居全編の大切なアイテム。よりリアルな質感、持ったときの重量感を出したいということで、本物の出刃包丁を用意し、刃を削って落とした上でさらにコーティングを施し安全を確保、最後に舞台ばえするように着色(血糊も含む)したものを使っております。
そういう品ですので、持ってみるとズシリと重みが伝わってまいりますが、種々の要望、課題に確実に応える小道具方の皆様のご工夫、創意の素晴らしさを、あらためて感じるひと品だと思います。
実際舞台でどのように使われているかは、ご覧になってからのお楽しみでございます。