梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

夏の旅、始まりました

2010年07月01日 | 芝居
本日<公文協東コース巡業>の初日を無事に迎えることができました。
新小岩の《江戸川総合文化センター》が振り出しとなりましたが、なんでも当会館は、こけら落としに師匠がご出演なさったそうで、由縁のある劇場といってよいかと存じます。
私は2度目の出演。自宅からも近いので助かりました。

昼夜別狂言という、巡業としては大変珍しい、また豪華なプログラムです。同じものを1日2回繰り返すよりは、精神的にも肉体的にも、「気が変わる」ぶん新鮮で、疲れ方が違ってまいります。
私は昼の部で『重の井子別れ』の腰元、短い幕間をはさんで『勧進帳』の裃後見ですので、拵えがえがかなりせわしない! 女形の化粧を落として、一から立役の顔をして衣裳を着て…。舞台に穴はあけられません。とにかく大急ぎで支度しなくてはならないのが、今月最大の難関…。

まあ、それは舞台裏でのハナシなんですが、頂いた『重の井』の腰元、『忠臣蔵七段目』の仲居の両役は、ともに雰囲気が大事なお役です。今日はまだ段取りに追われてしまっていたかもしれません。焦らずに、しかし怠りなく、その役“らしい”匂いが身に付くように経験を積んでまいります!