梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

全員揃うのは至難のわざ

2009年07月04日 | 芝居
毎年、《合同公演》出演者が頭を悩ますのが、「お稽古」の日程作りです。

30余人の出演者は、7月まではそれぞれの師匠とともに本興行に出演いたしますから、現在、皆散り散りになってるんですね。
今年も、国立、歌舞伎座、コクーン、東コース、中央コース、松竹座という具合ですから、『源氏店』のお稽古をしたいと思っても、与三郎はいてもお富がいないとか、『賀の祝』の千代、春、八重の嫁3人しか集まれないとか、そんなこともおこりうるわけです。

そもそも、ご指導下さる講師の方々のお舞台のご都合もありますから、どういうメンバーでどういう稽古がどこまでできるか。部分的な「抜き稽古」をして頂いたり、仲間内での段取り合わせや読み合わせで地固めをしておいたり。巡業中のメンバーも、休演日にいったん帰京してお稽古に参加したりもしているんです。

本格的、集中的な稽古は8月に入ってからになるとはいえ、やっぱり何かしておかないと不安になるものです…。
各演目ごとに責任者をおいて、講師とメンバーの時間を調整、できるかぎりのお稽古をさせて頂いております。
私も来週から『双面』の稽古に松濤通いです!