歌舞伎座の仲間から・１

歌舞伎座７月興行に出演中の《合同公演》メンバーからも、メッセージが届きました。

Ｂ班『源氏店』で、＜お富＞を演じる澤村伊助さんからです。


先日、監修・指導の高砂屋（梅玉）さんのご自宅で、同じく監修・指導の加賀屋（魁春）さんもいらして下さって、お稽古をして頂きました。
通常、国立劇場の稽古場などでお稽古をして頂くので、緊張してご自宅へ伺ったわけですが、まさにアットホームで、親身になってご指導を頂きまして、有難い限りでした。
こと細かにたくさんのご指導がございましたが、お富の全体像としては、「もっと老けるように」とのご注意がありました。
お二方によくよく教えて頂き、忠実に勤めて、お客様に楽しんで頂けたらと思います。

また、今回は大役ということもあり、私のお客様にはものすごく喜んでいただき、電話やらメールやらで勇気づけて頂いたことに、大変感謝致しております。
このようなお役を、皆様にこんなにも待ってもらっていたんだなあということを、つよくつよく実感いたしました。

公演までの日々、精進してまいります。


…熱い思いが伝わってまいります。
お富を「もっと老けるように」といわれたのは、落ち着きとか貫禄を含めて、＜お妾＞という役の風情を気をつけるように、という意味なのでしょう（娘々していてはおかしいですものね）。まさか伊助さんがお富バアさんになるはずはありませんので、念のため。

伊助さんに限らず、私たちの勉強会を支えて下さる“お客様”におかれましては、自分の知っている役者が大役に挑戦するというのは、本当に嬉しいことなのだと思います。皆様のご期待とお励ましの力は、何にもまして我々役者にとってのエネルギーとなっています！

普段から古風な雰囲気が独特の味わいな女形の伊助さんですが、今月はこんなお役も…。



『海神別荘』の＜黒潮騎士団＞でした。