梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

年端月稽古場便り・参

2008年12月29日 | 芝居
『鏡獅子』の<総ざらい>と、『俊寛』『祝初春式三番叟』『対面』の<初日通り舞台稽古>でした。

『鏡獅子』は舞台にて。中村屋(勘三郎)さんはお稽古着ですが、胡蝶のお二人は衣裳と鬘を着けて、本番の感覚を…。
昨日まではお稽古用の衣裳でしたのが、今日から本番用になり、これまでもじゅうぶん綺麗だったのが、さらに美しい色柄となったことに喜んでいる姿が微笑ましかったです。気合いもますます入ってまいりまして、歌舞伎座の大舞台に負けない元気な舞姿が頼もしいです!
対して私の後見、緊張もいたしましたが、まずは無事にというところでしょうか。二畳台の移動と車輪外しをもっと綺麗にこなさなくては! とは申せ、本年2月の『鏡獅子』にも、別な仕事内容とはいえ後見として携わらせて頂いた経験が、どんなに役に立っているかわかりません。曲や舞台面、振りの流れが体に“ある”おかげで、少しは落ち着いて仕事をすることができました。

『三番叟』、昨日考えた段取りと、実際の舞台面(とか居所)をみてからのプランを合わせてまずは挑戦。ごたつくこともなく済んで良かったですが、やってみた上での改善点も見えてきましたので、それは1月3日の初日で実行…って、アララ4日も間が開いちゃうの!? 今日のカンを忘れないようにしなければ!

…今日で師匠はじめ多くの方は仕事納め。「良いお年を」の言葉があちこちで交わされる楽屋内。
私はもう1日、『鏡獅子』<初日通り舞台稽古>が終わるまでは!
あと一息、頑張ろう!