梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

果ての月稽古場便り・5

2008年12月01日 | 芝居
『高時』と『籠釣瓶』の<初日通り舞台稽古>。
私が勤めさせて頂く<侍女>の拵えは白羽二重の着付に日の長袴、上に小袿(こうちき)をまといます。三人官女みたいですね。こういう格好は初めてですが、小袿の持ち方や長袴の捌き方など、気をつけることが色々あることを改めて知りました。幕切れ近くに急いで出てくるところ、前の人の袴の裾を踏まないように注意注意。
白塗りの顔の色が、周りの方より薄くなってしまい、もっと綺麗でもよいとのことでしたので、明日の初日からはよりシッカリと! 

天狗のくだりも無事に終わりました。明日からの25日間、皆様ご無事で勤め上げられますよう…!

『高時』終了後すぐさま拵えを変えて『籠釣瓶』の道中へ。花道揚幕で待機しているとき、ふと思いましたのは、2008年の私は、1月『助六』、12月『籠釣瓶』と、花魁道中ではじまり花魁道中で終わるのですね。ついこの前、気持ち新たに迎えた年が、気がつけばもう締めくくりの月。最近どんどん月日の流れが速くなっているように思えるのですが。

さあ明日から本年最後の歌舞伎興行、歌舞伎座<12月大歌舞伎>がはじまります。先月はお昼過ぎからの楽屋入りで、ずいぶん楽をさせて頂きましたが、今月は朝から頑張ります! 大勢のお客様のお出ましを、心よりお待ち申し上げます!