梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

楽しいひと月でした

2007年04月26日 | 芝居
四月大歌舞伎も無事千穐楽を迎えることができました。
いかにも歌舞伎、といった演目がならんだ華やかな興行、いかがだったでしょうか?
自分のお役も何事もなく勤めおおせることができましたが、女形の台詞や踊りなど、色々と考えながらの毎日でした。ことに『頼朝の死』では、緊迫したやりとりをみせる師匠の台詞尻に、ややかぶせ気味で申し次ぎをするわけですが、日々微妙に違う舞台のイキ、動きに対応して、ちょうどよい間で出てゆくのが難かしゅうございました。ピタッとあった時は気持ちがよいものですが、わずかな差でもズレると悔しいものです。反射神経ともうしたらよいのでしょうか、そのときそのときで臨機応変に対応する力を、もっと養いたいと思います。

今月は『口上』にみられる通り、座組が大人数だったせいもあり、名題下部屋も活気にあふれておりました。普段からの遊び仲間も大勢一緒だったので、とても楽しい毎日でした。楽屋の顔ぶれは当然ながらひと月ごとに変わります。今日でこのメンバーともお別れかと思うと、寂しい気持ちもいたしますが、来月はまた来月で、楽しい出来事、面白い事件がおこることでしょう。

明日からさっそく五月團菊祭のお稽古です。私は『女暫』の<女奴>と『め組の喧嘩』序幕の<島崎楼抱え女郎>に、『勧進帳』での義経の<裃後見>に出させて頂きます。
さてどんな五月の毎日となりますでしょうか…。