梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

新たな名前で

2007年04月03日 | 芝居
今月の名題下部屋には、54人の名題下がおりますが、先月3年間の研修を終えた18期生6人も、晴れて正式な歌舞伎俳優として加わり、昼夜の舞台に出演しております。
当然のことながら、歌舞伎俳優になった者は皆々芸名を名乗るわけですが、私たち名題下の立場の者でも、師匠から芸名を頂いてから初めて出る公演では、その<名披露目>をするのが慣例となっております。
といって決して大仰な儀式やらしきたりがあるというわけでなく、その興行で一緒になる名題下俳優全員、その他関係各位(これからお世話になるであろう方々)に、品物をお配りし、「◯◯という名前になりました。どうぞよろしくお願いします」と挨拶をするというものです。これとあわせて、名題下部屋での古参の先輩から、あらためて「この人が今度◯◯になりました」と披露をして頂くことも多うございます。
思い起こせば私も8年前の平成11年1月歌舞伎座、同期の中村蝶之介さん、中村吉二郎さんと一緒に披露いたしました。新しい名前での第一歩は、晴れがましくもあり、緊張もし…。あの頃の日々はとても懐かしいです。
また、師匠の襲名にともなったり、ときには移籍などにより、改名をする場合もございますが、その時も、改めて披露をすることがもっぱらです。当月も萬屋(新・錦之助)さんの御襲名にともない、お弟子さんがお名前を変えられまして、お披露目がなされました。

<名披露目>は、師匠、そして兄弟子方のお力添えなくしてはできないものです。ですので、師匠とともに出る興行のときにしかできません。18期生6人のうち、師匠が歌舞伎座出演中の3人が今月の披露、師匠が出ていらっしゃらない3人は本名ですが、この後順次披露することになります。

皆さんこれから頑張って欲しいですね。もちろん私も負けません(気持ちだけ)!