梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

卯花月稽古場便り・終

2007年04月01日 | 芝居
『頼朝の死』『男女道成寺』の<初日通り舞台稽古>でした。
ジンマシンがおさまらないまま化粧をしても大丈夫かな…と大変不安だったのですが、白粉を塗ったからといって発疹が出るということもなく、痒み地獄に落ちずにすみホッとしました。
申し次ぎの侍女。稽古場とは寸法が変わりましたので、師匠の台詞のどの言葉をキッカケに自分が出てゆけばよいか、その判断が難しゅうございました。とりあえずこちらの見当で決めて、サアとばかりに出て行ったらちょっと早かった! 慌てかける心を鎮めて自分の台詞を喋りましたが、なんだか恥ずかしかったです。明日はもうひと言聞いてから出ることにします。

所化。開幕前に花笠踊りの件の居所合わせをいたしました。『男女~』は常磐津との掛け合いですが、その山台が下手にあります。いつもの『京鹿子~』よりも踊れるスペースが狭くなりますので、踊っている間も、自分の位置には十分気をつけないといけないようです。
座っている時間はそれほど長くはございませんが、私が座っている下手側は、先ほど申した常磐津の山台がすぐ背後にございますので、演奏中はマア大変な賑やかさ、浄瑠璃も三味線もビンビン体に響いてまいりました。…稽古中、大きなハエが顔面に飛び込んできて、思わずビクンと痙攣してしてしまいました。また恥ずかしいことばかり…。
肝心の花笠踊り、振付でいらっしゃる藤間の御宗家はじめ、客席からごらんになっていた先輩からも色々とご指導頂きました。ひとつの踊りを12人が踊るのではなく、12人でひとつの踊りとなるよう、私を殺して、癖を抑えて踊ることを課題としてまいります。

いよいよ明日から本番。皆様どうぞ歌舞伎座へ。2代目中村錦之助ご襲名のおめでたい舞台、華やかな演目でお待ちしております!