梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

素晴らしい出会い

2007年04月15日 | 芝居
後輩の紹介で、落語家、林家彦丸さんとお食事をご一緒いたしました。
彦丸さんは、当代林家正雀師匠のお弟子さんで、現在二ツ目、御年24歳でいらっしゃいます。
紹介してくれた後輩は、彦丸さんとは師匠同士の“コラボ”的公演のおりに知り合ったそうですが、その後輩はじめ、若い役者5人と噺家1人という組み合わせで、お酒も多いに飲みつつの四方山話となりました。落語大好きな私は、彦丸さんをずいぶん質問攻めにしてしまいましたが、落語の世界の裏表を、わかりやすくご説明くださるその語り口が、身に付いた江戸言葉になっているのに痺れました! いろいろ伺った中で印象深いのが『本寸法』という言葉。私ども芝居の世界で言えば<定式>とか<古格><本格>といったニュアンスでしょうか。腕が上がれば、その人の芸は『本寸法』になる。あるいは噺家としての振る舞い方、生き方そのものが、修行の中で『本寸法』になってくる…。私どもも、こういう言葉を頭の中に置いておかねばならないなと、その場の役者一同で思った次第です。
ずいぶん遅くまで話し明かしましたが、年下とは思えない貫禄、ストイックな格好良さ。魅力にあふれるお方です。まだ高座を拝聴してはおりませんが、末永く応援させて頂きとうございます。皆様も寄席へお越しの際はどうぞ御贔屓に。