梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

菊見月稽古場便り 三

2006年08月31日 | 芝居
八月最後の一日、私は『籠釣瓶』の<総ざらい>と『六歌仙』の「業平・小町」の<初日通り舞台稽古>でございました。
『業平・小町』での着付後見。やはり小道具の扱いにはてこずりました。弓や太刀という、長さのあるものを綺麗に動かすのが難しい。また限られた時間での迅速な作業。さりとて後見がアタフタと動く姿はお見せできませんし、<本当は大変な仕事ほど、大変そうに見せてはいけない>という、過去に頂いたご注意を今一度思い出し、気をつけてはみましたが…。正直今日は手探りでした。一回取り外しても、また後で使う小道具がいくつかあるのですが、その置く順番を間違うだけで、後の仕事がガチャガチャしてしまう。今日は失敗をしたというわけではございませんが、後見が座る居所も含め、もっと私自身が仕事をしやすくなれる段取りがあるハズですので、もっと研究をしなくてはなりません。
舞台を見てくださった一門の先輩からも、色々ご指導、アドバイスを頂きました。有難いお言葉に従い、決して少なくはない仕事をいかに<さりげなく>するか。ダメも頂きながら、ひと月勉強させて頂きます。

今月は、出番が師匠と全く一緒の二演目ということで、時間的にも体力的にもだいぶ楽をさせて頂いております(日が沈む前にこの記事を書けるなんて!)。
明日もお昼出勤! 有難い限りです。