梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

本番パワーで大喝采

2006年08月09日 | 芝居
<平成十八年度 小学生のための歌舞伎体験教室>、本日無事に発表会を終了しました。
家族や友達が見守る中、みんなが最高の力を出し切り、イキイキ、溌剌と三十余分の一幕を完演。声もさらに大きくなりましたし、観客の拍手に力づいたのか、今まで以上のやる気と熱気が舞台に満ち満ちていました。
もちろん、本番ゆえの緊張からか、ちょっとしたハプニングもありましたし、(あっ、この子舞い上がってるな)と思うところもありましたが、そういうところも、全てその子自身が自分で克服して乗り切った。そこがすごいと思うのです。我々大人が余計な気を回すまでもなく、芝居がともかくも無事幕となったことに、大きな喜びと安堵の気持ちでいっぱいになりました。

カツラがきつくて痛がったり、帯に締め付けられて苦しくなったり。じっとじているのが辛い子も、大声を出すのが苦手な子も、よく耐えました! みんなお疲れさまでした! 本日、三組の発表終了後の修了式で、師匠梅玉もおっしゃっておりましたが、今日までの数週間の体験が、後々までも、良き思い出になりますように!


体験教室の仕事が終わりまして、午後五時からは、同じ国立劇場の研修室にて勉強会の<全体会議>。勉強会に出演する全ての俳優がそろって、諸事項を討議、確認いたしました。チケットのことや稽古のことなど、参加者全員が知っておかなくてはいけない事柄はたくさんあるのです。例年当勉強会では、出演者の中から演目ごとの責任者、会全体の実行幹事、そしてチケット・受付担当幹事という任務を選出して運営をしておりますが、ともすればこうした役職を負った人だけに負担がかかるもの。しかし本来ならば我々全員の、全員による、全員のための会なのですから、誰かにおまかせ、という意識ではいけません。そうした意味でも、本日の会議で、改めて一同が共通の問題意識を持つということが大切になってくるわけですね。私も、本年はチケット担当と会の代表幹事を務めさせて頂いておりますので、いつも以上の責任感を感じております。

会議後は、後輩とともに、以前ご紹介しました番町の蕎麦屋<丸屋>へ夕食に。家内も合流しまして約二時間、楽しく芝居談義。前回食べられなかったヘギそばも頂き、お腹いっぱい。心地よく酔いました。
とりあえず八月前半の仕事はこれで終了。明日からしばらくは自由時間なので、『修禅寺物語』をあらためて勉強し直し、休息もしっかり取り、心新たに盛夏の修行に取り組みます!

今日は一日ぐずついた空模様でしたね。せめて写真で綺麗な空をどうぞ。昨日の夕暮れです。