梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

真夏の桜花爛漫

2006年08月11日 | 芝居
今日も『修禅寺物語』のお稽古はございませんが、国立劇場小劇場へ、<第八回 音の会>で上演される『京鹿子娘道成寺』の舞台稽古を拝見してまいりました。普段の勉強会ではまず上演できないこの舞踊(より多くの参加者が大役を勉強しなくてはならないのに、たった一人しか踊れない!)が、この会で上演されることになったのは、ひとえに会の主旨が歌舞伎音楽の演奏家のための勉強会であるということからですが、いずれにしましても踊る方は大変。普段から大変お世話になっている中村京妙さんが白拍子花子をお勤めになります。
<道行>から<鐘入り>まで、本興行どおりの上演です。度々衣裳を変えながら、恋の喜び、悩み、恨みといった女心の様々をたっぷりと描くわけですが、一時間余の長丁場。体力の配分も難しいと聞いておりますので、舞台で舞い続ける京妙さんのお姿を観ながら、ついついこちらも力が入ってしまいました。
二回の<引き抜き>を勤める裃後見は親友の市川左字郎さん、市川茂之助さん。後見の大役を勉強できて羨ましい! 左字郎さんは自身のブログでユニークな<道成寺>解説をしてますので、是非ご一読を。また私も、昨年四月のブログ記事で、この舞踊につきまして拙文を書いておりますので、よろしかったらご参考までに。
また、計十人の所化役も、<稚魚の会 歌舞伎会合同公演に>参加する同人が出演しております(弟弟子の梅秋も参加させて頂いております)。同期の中村吉二郎さんの<舞い尽くし>、綺麗にまとまっていて面白さもあり、さすがと思いました。

舞台稽古を拝見する前に、<稚魚の会友の会>の方からの、合同公演のチケット申し込みの最終確認と、頂戴したチケット代の清算をいたしました。一円の間違いもなく計算が合い、これでようやく、私がやるべき全ての事務が終わりました。やっぱりお金を預かる仕事はくたびれる…。本当は私なんかむいてないと思うんですけどね。