梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

まじめに楽しくできたらいいですね

2006年08月07日 | 芝居
今日から<平成十八年度 小学生のための歌舞伎体験教室>のお手伝いです。
これまで指導主任でいらっしゃる幹部俳優さんが手取り足取り演技をお教えになった『寿曾我対面』で、化粧坂の少将という傾城役の後見をいたします。計三組での上演、三人の少将役はみんな女の子です。
本日は<総ざらい>ということで、国立劇場大稽古場でのお稽古。お囃子さん、ツケ打ちさん、狂言作者もそろって、全く普段の歌舞伎公演と変わらないかたちですが、各班一度ずつ、都合三度のお稽古ですから、出番ではない子供達が、ギャラリーとして控え、仲間の演技に見入っているのが唯一違うところでしょう。

今日初めて子供達の演技を拝見したのですが、緊張していたようですけれど、みんな大きな声で、楽しそうに演じていたので頼もしく思いました。男の子に比べると、女の子はおとなしめかなとも思いましたが、稽古後「恥ずかしかった~」と照れまくっていたくらいですから、だんだん慣れてくれば、もっと堂々とできるのではないでしょうかね。
早くも芝居っ気たっぷりな子供もいて、我々が思わずニンマリしてしまう場面も度々。短期間でここまでに仕上げたご指導の方方のご苦労のほどがしのばれました。私も後見として、みんなをしっかりサポートします!

昨年の体験教室のときにご紹介したかもしれませんが、子供達にも演じやすいよう、喋りやすいよう、そしてなにより本番当日の限られた時間内に三度の上演ができるように、社団法人伝統歌舞伎保存会が作製した、短縮版ともいえる台本で上演いたします。読みやすいよう総ルビで、難解な語句には同じページに注釈もついており、読み物としても面白いです。
また今回は、前回、前々回に参加した、いわば先輩小学生が自主的に裏方として参加しておりまして、稽古中からみんなの面倒をみたりしていたそうですが、本番では後見もいたします。とっても素敵なことだと思います。

明日は怒濤の舞台稽古でございます。子供達のパワーに負けないようにしっかりせねば!
写真は稽古後家内と立ち寄った浅草<梅園>のあんみつのアップです。