この岩峰を右から巻く。その先にも岩峰が見える。さらにその先に剣ヶ峰が霧氷をまとって見えています。
上の画像の岩峰を巻いて裏側に出る。見上げると覆いかぶさるような姿。でも大きなホールドをまとっているのでⅤ級くらいのクライミングで上に立てそうだ。南八ヶ岳のような岩質。
さらに進むと次の岩峰。ここを抜けるとしたらあのコルしかない。どうもこのあたりからは歩いている人がいるらしく、明らかに人間の踏み跡がある。コルは3級-程度のみじかい岩登りだった。
岩峰を巻き、稜線に出てみると、北側に「湯の平」の草原が見える。登山道もあり、歩いたら気持ちよさそうだ。
「剣ヶ峰」に到着した。11時50分。思っていたより狭い山頂だった。ここは登る人もいるようだ。浅間山や黒斑山の景色がいい。かなり前に「浅間隠山」から見た浅間山の姿に感動したことがあったが、それに勝るとも劣らない景色だ。
「剣ヶ峰」からの下りは「ヒサシゴーロ尾根」を下る。この尾根には登山道があった。登山道といっても、あまり登られていないらしい。分かりにくいところが何か所かあった。実際、数か所でルートを外してしまい、そのたびに地形図と見比べ、尾根に戻り登山道を見つけることがあった。登りに使うには問題ないが下りだとわかりにくい。まあ、もともと登山道などあてにしていなかったのだから構わないけど。
笹やぶの中は道がわかりにくい。
ザレの中も間違いやすい。
降りてきたところを振り返ってみる。標高2000m位のところ。
ナンテンの実は雪が積もるころになっても赤い。
縦走してきた「牙山」からの稜線が見えた。
1時15分。浅間山荘に無事帰還。
佐久平~見上げると、この稜線は実に魅力的に見える。そのうち歩きたいと思いながら長い時間が過ぎてしまったが、やっと歩くことができた。
いつもバリエーションルートに向かう前は、不安と期待とで胸がドキドキするが、行ってしまえば目の前の難所に冷静に対処することだけに集中して、不安に陥ることはない。充実感を感じながら進むだけだ。今回も良いルートに出会えた。
準備していた登攀用具の出番はなかったが、もし人を連れて行っていたら使っていたと思う。普通はロープを使うルートになると思うので、その経験のない方は剣ヶ峰の往復だけにしておいてください。