Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

我が登山史4(沢と藪山)

2014-05-09 00:49:05 | 山とクライミングの話

「月稜会」に入会して20年近く経つ。入会前は危険なソロクライミングや縦走、雪山を経て、ガイドについてクライミングを経験し、アルパインクライミングを始めた。またガイドについて沢登りも経験した。最初に連れて行ってもらったのは、丹沢の小川谷廊下だった。さらに新茅ノ沢、奥多摩の小常木谷など。非常に野性味にあふれた登山で楽しかったので、月稜会に入会する前の一時期、沢登りにはまった。楽しかったし、ソロでも出来そうだったからである。奥秩父や南アルプスの沢に一人で出かけたが、段々ガイドブックに載っている沢には関心がなくなってきた。それよりも、小さな山でも山頂を目指して合理的なラインで沢を詰め上げることに興味を持った。机に地形図を広げて、「この沢からこの山頂に登ってみよう」と、毎日のように考える。そして実行してみると、滝など一つもなかったり、ひどい倒木に埋まった沢だったりしたが、それでもガイドブックを頼りに登るよりは楽しかった。次第に沢にこだわらず、沢が悪ければ尾根に出る。尾根が歩きにくければ沢に戻るというように、臨機応変な登り方になって行った。もう沢登りではなく「藪山」である。今でも藪山登りは私は大好きだ。なんとなく幼少のころの山を思いだす。母親との山菜とり。兄との岩魚つかみ。そういった山を思いだす。

藪山でよく通ったのは西上州だ。晩秋の木の葉の落ちた西上州の山は、視界も効いて明るいし、山もコンパクトで、一人で一日を楽しむには最適だった。しかし、沢が木の葉で埋まって、木の葉の雪崩に流されることも・・・。でも木の葉に埋もれていると暖かくて、とても気持ちがいいものだ。まれに1泊出来る時などは、大して歩きもせず、愛犬を連れて木の葉の中で野宿することもあった。愛犬との野宿を楽しむために、晩秋の藪山に出かけたことは何度もあった。こういう藪山愛好家というのは沢山いるようだが、藪山歩きというのは、人からの情報を頼りにしないところが楽しいのであって、ガイドブックなどが出てしまっては、何のための藪山歩きなのかわからなくなってしまう。しかしそういうガイドや情報を時々目にする。まあ「こんなところに行ってきました」という程度の報告は意味のあることだと思うが、あまりにも詳細な藪山報告は、逆にそこには行きたくなくならせる要因になる。

月稜会に入ってからはクライミングが中心になって、藪山歩きはあまりしなくなったが、時間さえあれば、またあの時のような藪山歩きを楽しみたい。