Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

八ヶ岳

2014-04-02 00:48:57 | アルパインクライミング

3月31日。八ヶ岳のあまり知られていない岩場を登ろうと、チーム84のm君と出かけました。

美濃戸を出発するときから、空は快晴。行者小屋についてもうららかな陽気。しかし赤岳と阿弥陀には雪煙が舞い上がっていました。12月に来た時も風が強く、行者小屋にいても辛いくらいだったのに、「阿弥陀北稜~赤岳主稜の単独日帰り継続」が出来ました。今日はその時よりはましだろうと登り始めましたが、森林限界を越えたあたりから猛烈な強風になってきました。なんとかアックスを刺しながら中岳のコルに到着しましたが、空に向かって氷が舞い上がり、体を起そうものなら飛ばされてしまいそうな強風。「これは行くにしても戻るにしてもロープを結ばなければならない」と思い、ザックからロープを出そうとするも、身動きが取れないので、何とか道標に二人でセルフビレーを取りロープを取りだしました。中岳の裏に回り込めば風も避けられるだろうと思い、道標から懸垂下降の体勢で下り始めましたが、風は全く避けられない様相。風が強くなければ簡単に歩いて降りられそうなのに、ロープがないと飛ばされそうなので歩いては下れません。

12月の時は行者小屋で風が強かったけれど登れた。今日は行者小屋では風がなかったけれど上では身動きが取れない。ちょっとした風向きの関係なのでしょう。今日は残念でしたが撤退することにしました。文三郎の下りもロープを使って下らなければ危険な状態でした。

前日の雨は、ここでは雪のようでした。

八ヶ岳の岩場は真冬の様相に戻っていました。

画像では穏やかな登山日よりに見えますが、実はとんでもない強風。


吹雪の中の天狗岳

2014-03-10 21:25:34 | アルパインクライミング

3月10日。月稜会の会山行で八ヶ岳天狗岳に行ってきました。

本当は阿弥陀、赤岳のバリエーション集中登山だったのですが、前夜の入山で大雪が降ってきたので美濃戸に入れず、計画は変更になりました。私がチーフリーダーでしたので、他のリーダーとあれこれ考えた末、天候が荒れていても登頂の可能性がある天狗岳に変更しました。

8時に渋の湯を出発。最初は穏やかな気候でしたが・・・。

 

山頂直下。

トレースも消え、視界もなく、地形だけが頼り。

数名はリタイヤしましたが吹雪の中をがんばって登りました。

 

12時に登頂。

東天狗で1枚写真を撮ってすぐに下山。

こういう天候の中でも、行けるところまでは行く。これが月稜会。

引き際を間違えないことが一番大切です。

経験年数の少ない会員には、良い経験になったと思います。

しかし、ルートの判断はリーダーが全てやったので、これも皆が出来るようにならなければいけません。

 

「凍りついた女」

 

14時に無事下山しました。

 

 


奥三の沢へのアプローチ

2014-01-08 01:17:45 | アルパインクライミング

幕営地の標高1300mの中州から滑川を遡上する。

膝上のラッセルとボルダーに時間と体力が吸われていく。

 

本流を飛び石で渡渉。昨日だったらテントと寝袋などの重荷を担いでいたところなので、さらに大変だっただろう。

この飛び石で、とうとう相棒が水没。撤退。

 

時間切れ撤退で振り返る「木曾前岳」。


中央アルプス 奥三の沢 途中撤退

2014-01-07 00:46:33 | アルパインクライミング

正月3日・4日、1日半の予定で行ってきましたが、結果は途中で撤退しました。

パートナーはチーム84のMくん。長野県にある私の実家近くで待ち合わせ、私の車で木曾の上松に向かいました。登山口の敬神キャンプ場に着いたのは3日の正午。ここから上松Aコースに入り、標高1600m付近にあるはずの、滑川巻き道を探す。しかし巻き道の入り口が全く見つからない。地形図を頼りに雪の深いササ藪に突入するが、雪になぎ倒された笹に行く手を阻まれ、結局藪沢を下らされ、元の登山口付近に戻ることになってしまった。この時点で午後3時半。明日1日で奥三の沢を登って帰ってくることは絶望的になってしまった。しかし「行けるところまでいてみよう」ということで、滑川を遡上することにした。砂防ダム工事のための林道を登り、滑川に入るも日はみじかく、標高1300mあたりで幕営することにした。滑川のアプローチは、長い割に標高差を稼げない沢で、しかも巨岩が累積する歩きズライ沢だ。さらに雪も多く、明日は何処まで進めるか。奥三の沢を登ることよりも、何処まで進めるかが今回のチャレンジになりそうだ。

翌朝、明るくなり始める6時過ぎに幕営地を出発。歩き始めからラッセルと歩きズライ巨岩の河原。枝沢を渡ったり、本流を飛び石で飛び越えたり、障害物持久走のような難行が始まった。

何度か足が水没するが、歩くこと5時間余り、とうとうパートナーのMくんの足が水没し、靴の中に水が入ってしまった。この状態でアイスクライミングは危険と判断し、三の沢出合い付近で撤退を決めた。

1.5日で奥三の沢という計画は、初めから厳しいものだとは分かっていた。Mくんの情報によれば、こんな計画は不可能と判断出来たかもしれない。でも、わしは地形図を情報源としてこの計画を立ててみた。いつもわしはこのように計画を立てる。人の記録は参考にしない。山と地図を見て計画を立てチャレンジする。今回のように跳ね返されるかもしれないが、それはそれでいい。出来るところまでやって、無理だったら命を取られる前に帰ってくればいい。チャレンジしないより、チャレンジして跳ね返されてきたほうが自分の身になるのだ。

しかし、今度は計画を練り直して成功させてやるぞ。


八ヶ岳阿弥陀岳北稜から赤岳主稜 単独日帰り継続

2013-12-18 01:11:30 | アルパインクライミング

12月16日、八ヶ岳の阿弥陀岳北稜から赤岳主稜に行ってきました。

パートナーが風邪をひいたということでキャンセル。しかし、もともと単独で計画していた山行だったので、そのために中止にすることはありませんでした。車に同乗していくはずだった別パーティーの二人も風邪で、前夜はさびしく一人で美濃戸に向かった。しかも親しい友人が亡くなったことを知り、テンションは大幅にダウン。この訃報を知った時には、流石に山に行きたくなくなったが、「こういうことを乗り越えてやりとおさなきゃ、皆のリーダーとして命を守ることが出来るのか」と思い、出発したのです。

朝6時40分に美濃戸を出発。8時過ぎに行者小屋につくが、風がすごい。稜線に雪煙が渦巻いている。今日は風が強いということは分かっていたが、ひる頃には弱まってくると予測していたので時間調整。でも気温も低く、装備を整えるのにも時間がかかる。2年前の凍傷の影響で、すぐに手足の指の感覚が無くなってくる。 9時10分に行者小屋を出発。文三郎道を右にそれて樹林に入る。阿弥陀岳北稜は人気ルートなので踏み跡はあるが、風の通り道では踏み跡も消され、膝から腰のラッセルとなる。ジャンクションピークまで来ると、強烈な風が右側から襲ってくる。

岩場の取り付きは、末端のやや左側。風をしのげる。
いつでもロープを出してソロシステムが出来る準備はしておいたが、結局ロープは使わず、岩場を越える。
しかし山頂までの雪稜は腰までのラッセルと強風に苦労した。
 
 
登って来た阿弥陀北稜を振り返る。
山頂には11時10分に到着。
行者小屋を出てちょうど2時間だ。
風の強さに赤岳主稜への継続は諦めようかとも思ったが、まだ11時10分だ。諦めるにはまだ早すぎる。
中岳をラッセルで越え、赤岳に向かうが、風は一向に収まらない。
今度は左から風が吹き付け、体が浮き上がりそうになる。
耐風姿勢をとっていても前に進めないので、ダブルアックスで飛ばされないように進む。
でも顔の左半分が動かせない。凍傷の危険があるので早く文三郎を下って高度を下げたい。
 
 
赤岳主稜の取り付きに着いたのは12時30分。
風は後ろから吹き付けるので、今までよりは楽だ。ただ指が冷たくて、温めてもすぐに感覚がなくなる。
でもこのルートは何度も登っている。さっさと登ろう。
岩を手で触ると、すぐに指が冷たくなってしまうので、ダブルアックスを多用する。
ゴーゴーと唸りを上げる風の音に混じって、ホイッスルの音が聞こえる。先行パーティーがいるようだ。
 
13時30分。赤岳主稜をちょうど1時間で登り切り稜線に出た。
日が当たり風をよけられるところまで行って自分撮り。
辛かったが、あまり時間はかからなかった。
風さえなければ楽な継続だっただろう。
地蔵尾根を下り始めると、全く別の世界。
行者小屋を素通りして赤岳鉱泉まで行き、ビールを飲みながらゆっくりする。
美濃戸に着いたのは4時でした。
 
 
 
 
 
 

富士山雪上講習。

2013-12-09 22:40:43 | アルパインクライミング

12月9日。月稜会で雪上講習。富士山に行ってきました。

雪が少なくて計画通りには出来ませんでしたが、雪は固く、アイゼン歩行には適していました。

 

雪が少ないので7合目まで登りました。でもやっぱり雪が少ない。

 

集合写真を撮ろうと思ったら、皆が「耐風姿勢」のポーズ。

 

もう一度集合写真を撮ろうと思ったら、今度は「滑落停止」。

 

スタンディングアックスビレーの指導中。

 

下山途中で突風。

 

 


三つ峠

2013-06-17 23:16:20 | アルパインクライミング

6月10日。月稜会のトレーニングで三つ峠に行ってきました。

総勢22人のロッククライミングトレーニング。それぞれの経験に合わせてグループ分けをしました。私はこの夏ヨーロッパアルプスに行く二人を連れてマルチピッチのトレーニングとアイゼントレーニング。

 

中央カンテにて。この夏にシャモニーに行く二人。

 

中央カンテをリードするH岡。

 

午後はアイゼントレーニング。まずは都岳連ルートで。

 


中央アルプス 宝剣岳極楽尾根

2013-05-14 00:02:32 | アルパインクライミング

5月13日。月稜会の会山行で、3度目の宝剣岳極楽尾根。今回はこの夏ヨーロッパアルプスに行くヒラ。次のリーダー候補のぼくりんとうめちゃんの3人を連れて行く。ヨーロッパアルプスに始めて行くのならこのルートはお勧め。ここを日帰りで登るにはスピードが必要だしアイゼンで花崗岩を登る感覚もつかめる。

左からうめちゃん、ぼくりん、ヒラ、わし。

今日は暖かかった。

 

F沢を下降していくが、いつも来る時期より1カ月も遅いので景色が違う。

沢が急に感じ、「間違ったのか?」と思ってしまう。

下降も4人でロープを出していると時間がかかり、尾根の上もブッシュになっているので、三角岩峰から上のクライミングに変更。

三角岩峰もルートになっていない南西面から取り付いてみる。

未登のラインらしく、ナッツとハーケンを打って登る。

50mでは抜けきれず、1ピッチ半。結構難しかった。Ⅴ級-くらい。

 

南西面の2ピッチ目(10mくらい)をフォローするヒラ。

ここを登りきって極楽尾根に15m懸垂下降。

 

極楽尾根の三角岩峰ノーマルルートに取り付く。

ヒラがリード。雪や氷がついていないので快適。

 

数年前に登った3尾根。

スラブとハングが交互に出てくる悪いルートだった。

「よくこんなところをのぼったなあ」

 

時間も押し迫った来たので、上部のナイフリッヂは巻く。

三角岩峰の裏を懸垂下降。うめちゃんが見える。

最後は雪壁を登り、小さなピナクルを登り、16時にロープウエー駅に戻れました。

 

 

 

 

 

 

 

 


赤岳ショルダーリッヂ左ルート

2013-03-13 00:59:13 | アルパインクライミング

3月11日。月稜会の会山行で、八ヶ岳赤岳ショルダーリッヂ左ルートに行ってきました。

メンバーは私とリーダー見習い中のぼくりん、冬期バリエーションデビューの消防士の3人。私もこのルートは初めてでしたが、今まで登った八ヶ岳のアルパインクライミングルートの24本中、もっとも楽しいルートでした。

会山行なので、他にも硫黄岳往復チーム、硫黄岳から横岳縦走チーム、石尊稜チーム、赤岳主稜チームと、全5チームでした。

美濃戸(7:10)~行者小屋(8:50)~取り付き(10:00)~ショルダー終了(14:15)~赤岳山頂(15:00)*主稜組を待つ~地蔵尾根~赤岳鉱泉(16:30)~美濃戸(17:30) *はっきりとは覚えてないけど、だいたいこのくらい。

 

文三郎道から赤岳沢に下り、トラバースしてショルダーリッヂに取り付きます。

板状雪崩に気をつけながらトラバースし、雪壁を登り、尾根に出ます。

 

このルートはⅢ級からⅣ級くらいの岩場が5ピッチ程続き、非常に楽しい。

今回は私がオールリードでしたが、プロテクションをしっかりとれるクライマーならリードが楽しめるでしょう。

 

ハーケン1枚と岩角を使ってビレー点を作ります。

 

冬期バリエーションデビューの消防士も余裕で登ってきます。

後で聞いたら「一生懸命で、楽しかったのか辛かったのかわからない」と言っていましたが。

 

無事登り終えました。

ぼくりんと消防士です。

 

あまり登る人がいないようですが、フェース、岩稜、雪のナイフリッヂ、雪壁など、様々な要素が詰まった、内容の濃いルートでした。

クライミンググレード自体はⅣ級までですが、様々な技術と判断を要求される好ルートです。

 

 

 


八ヶ岳広河原沢左俣

2012-12-17 22:31:35 | アルパインクライミング

12月17日、八ヶ岳阿弥陀岳広河原沢の左俣に行ってきました。今回は月稜会の会山行で、ぼくりんとうめちゃんを連れて行きました。私は3回目の左俣。他に見晴らしルンゼ1パーティー、御小屋尾根往復1パーティー、中央稜から阿弥陀・赤岳方面へ縦走1パーティが入りました。

船山十字路(7:10)~左俣上の大滝終了(12:40)~御小屋尾根下山~船山十字路(15:10)

11月にも阿弥陀南稜にきましたが、その時と積雪量はあまり変わっていません。F1は水流が見えているものの、他の滝は全てしっかり凍っていて快適なアイスクライミングでした。下の大滝と上の大滝のみビレーしてもらい、ほかの滝は私が上でフォローの二人を確保して登らせましたが、二人とも私のいないときにはリードもしているメンバーなので、すいすい登り早めの下山になりました。

上の大滝をフォローするぼくりん。

 

うめちゃんが上の大滝を登りきって歩いてきます。

 

他のパーティーを待たせてはいけないと思い、御小屋尾根に上がり、山頂は踏まずに下山しました。

御小屋尾根に出て撮影。