3月31日。八ヶ岳のあまり知られていない岩場を登ろうと、チーム84のm君と出かけました。
美濃戸を出発するときから、空は快晴。行者小屋についてもうららかな陽気。しかし赤岳と阿弥陀には雪煙が舞い上がっていました。12月に来た時も風が強く、行者小屋にいても辛いくらいだったのに、「阿弥陀北稜~赤岳主稜の単独日帰り継続」が出来ました。今日はその時よりはましだろうと登り始めましたが、森林限界を越えたあたりから猛烈な強風になってきました。なんとかアックスを刺しながら中岳のコルに到着しましたが、空に向かって氷が舞い上がり、体を起そうものなら飛ばされてしまいそうな強風。「これは行くにしても戻るにしてもロープを結ばなければならない」と思い、ザックからロープを出そうとするも、身動きが取れないので、何とか道標に二人でセルフビレーを取りロープを取りだしました。中岳の裏に回り込めば風も避けられるだろうと思い、道標から懸垂下降の体勢で下り始めましたが、風は全く避けられない様相。風が強くなければ簡単に歩いて降りられそうなのに、ロープがないと飛ばされそうなので歩いては下れません。
12月の時は行者小屋で風が強かったけれど登れた。今日は行者小屋では風がなかったけれど上では身動きが取れない。ちょっとした風向きの関係なのでしょう。今日は残念でしたが撤退することにしました。文三郎の下りもロープを使って下らなければ危険な状態でした。
前日の雨は、ここでは雪のようでした。
八ヶ岳の岩場は真冬の様相に戻っていました。
画像では穏やかな登山日よりに見えますが、実はとんでもない強風。