欧州チャンピオンのプロ棋士が19路盤のハンディなしでコンピュータに敗れた(0勝5敗)と言う。小生はコンピュータがプロ棋士に追いつくには数十年先になるだろうと高をくくっていたので、衝撃というより、”ターミネータ”がいきなり現れたような恐怖すら感じます。
これまでのコンピュータは”読み”を中心とした”力戦派”でしたので、盤面が広いとなかなか読みきるのが難しかったものと推測されます。今回勝利したコンピュータは人工知能(AI)を搭載し、蓄積した膨大なデータから勝ちパターンを判断する”理性派”タイプのようです。AIは従来から利用されている技術なのですが、自ら学習していく能力が格段に進歩しているのかも知れません。
もちろん、コンピュータにとって囲碁は一つの演習問題に過ぎません。しかし複雑な囲碁においてプロ並みになったと言うことは、近い将来極めて優秀な判断力を持つ人間と同等の”ロボット”が登場することを示唆しています。もう直ぐ人間がロボットに使われる時代が来るような気がしてなりません。
40期棋聖戦第2局は予想通り右上隅から競り合いがはじまりました。両者共、自分の感性と読みを信じて戦うタイプなので”コンピュータ”などは勿論眼中にないことでしょう。