「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

時事問題討論ゼミに新入生3名が出席&彼らと夕食を共にする

2015-04-21 23:32:27 | 小村ゼミ
「学びの雰囲気のない大学」と、自らが属している大学のことを言いたくはないが、
偏差値的に底辺にある地方私大の現実は、覆い隠しようもない。

ただ、そのような状況を「百も承知、二百も合点」の上で、
何とか前を向いて活動していきたい、と思っている教員もいる。
かつ、ありがたいことに、その思いをわかってくれている学生が研究室に入り浸っていてくれている。
現4年生M君がかつて言ってくれた「小村研究室は(まじめに将来を考えている学生にとっての)避難所」というのは、
最高のほめ言葉であった。

で、その、前を向いて「社会人の卵としてまともなスタート地点に立たせる」ため、
ボランティアで開講しているのが時事問題討論ゼミ。今日火曜日5限からスタートした。

毎度のことながら段取りが悪く、多くの学生にはまだ開講情報が行き渡っていない状況。
それゆえ何人が顔を出してくれるか、という話だったのだが、当方としても意外なことに、
新入生が3名顔を出してくれた。
(2年生以上は一体何をしているのだろう、というのは、まぁ、問わないことにしよう……。)

時事問題討論ゼミといっても、特段のテーマを考えてのことではない。
自腹で取っている朝日、日経、静新の今日夕刊の1面トップ記事から1つを選び、
そこから話の拡がるままにおしゃべりをしただけ、だったのだが……。

静新の4月21日夕刊の一面トップは、静岡茶市場の「新茶初取引」。
というので、話の始まりはお茶だったが、メモによれば、
茶道・華道・道・修行・假屋崎省吾・千利休・クールジャパン・テーブルマナー・
外国人に教える前に私達自身が知っているか・学ばずの罪教えずの罪・
「何かわからないけれど凄そう」というのをどれだけ提供できるか・
「面倒くさい」の一言で片づける者・思考放棄との闘い等々、
意外なほど話は面白く展開した。

防災研究者としての「旅の坊主」として、やるべきことがある。
それを、新入生相手の茶飲み話で誤魔化していてよいのか、との思いも、ない訳ではない。
(誤魔化すなどと言うと、学生には申し訳ないが、本気での集中を要する時間ではない、
という意味で、ご理解願いたい。)
その時間があれば「モノを書け」ということが問われている、と、一方で思いつつ、
またそのほうが、大学教員としては「賢い」生き方なのだろう、ということも理解しつつ、
それでも、研究室に学生を招き入れての議論が好きな「旅の坊主」であった。

妙な勢いで、昨日に続き、いつもの!「丸天」に連れて行くことになった。
途中、英語科のS先生を呼び出して、5人での夕食となる。

思い起こせば26年前の春から数年間、何かあれば夕食に誘ってくれた方がおられた。
その方とお会いできたからこそ今の自分がある。このことは間違いない。
いつの間にか、その当時のその方の年齢に「旅の坊主」も達してしまっている。

そのことを思う時、学生たちに対して、「この人との出会いがあったからこそ今の自分がある」、
そう言ってもらえるだけの活動を、どこまでやれているだろうか。

自らに問うべきは、やはり、そのような活動を出来ているかどうか、なのだろうな。