「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

『被災のまちの学校再開:大槌町駐在指導主事の証言』を読み始める

2015-04-09 23:21:46 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
昨晩、久しぶりに研究室で「明日が来る」のを迎えたのだが、
その昨晩から、表題に掲げた本を読み始めている。
(望月善次/関口厚光編著、岩手復興書店2015年刊、ISBN 978-4-907100-25-4
1852円+税)

今年の3月11日を期しても、東日本大震災に関する何冊もの著作が出ている。
アマゾンでざっと書評を読んだ上で買うこともあるが、
出来れば数時間、仙台か盛岡のリアル書店に赴き(盛岡の繁華街にあるジュンク堂がいいなぁ)、
しっかりと本棚を見ておきたい、というところ。

残念ながら、3月中の2回の東北行ではその時間が取れなかったのだが、
唯一、JR盛岡駅ビル「フェザン」構内の知る人ぞ知る「さわや書店」で
「これはひょっとして?」と思って購入したのが表題の本。

二階建ての町役場の二階天井近くまでが津波に飲み込まれ、
職員140名中町長ら40名、課長級幹部職員11名中7名がお亡くなりになった大槌町。
その中で、どういう過程を経て、40日後の4月20日に学校が再開できたのか。
そのことを、武藤美由紀さんという、大槌町教育委員会に派遣されていた
(=良い意味で大槌町の指揮命令系統から外れていた、ということ!)
国語科を専攻としている指導主事さんの証言として、
岩手大学教育学部長を勤められた教育者と編集出版業を生業とする方がまとめられた本。

直後半年の事情は想像するしかないが、多少なりとも土地勘の出来た大槌町。
全9章の2章目に入ったばかりであるが、さもありなん、と思うことばかり。
(特に「聞き書き補足」の中身は、さすがプロ!と思う。)

「積ん読」の本ばかりの「旅の坊主」の研究室なれど、
また、まともな書評論文などを書くような柄でもないが、
この本、しっかりとかみしめたい、と思っている。

少なくても、4月25日(土)から始める今年の東日本大震災の現地踏破では、
この武藤先生が歩まれた過程を、自分なりに追体験してみよう、と決めた。

この業界で活動をしているならば、どこかでお会いできると思う。
気仙・小泉の阿部正人先生もホンモノだが、岩手にもやはりこのような御仁がおられたか。
「旅の坊主」、まだまだ勉強不足である……。