たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

荒神の証

2020-09-24 09:31:11 | 古代の出雲

<荒神谷遺跡>

 

出雲の荒神谷遺跡および

加茂岩倉遺跡から出土した青銅器のうち、

出雲製と推定される銅剣のほとんどと、

近畿製と推定される銅鐸の一部に

「×」印がつけられている一方で、

北部九州製と推定される銅矛には、

「×」印が刻印されたものはありませんでした。

 

これらのデータを踏まえれば、

北部九州産の銅矛には「×」印、

つまり「荒神の証」を付ける必要がなかった、

という意味にも受け取れますね。

 

同様に、出雲産の銅剣の14本と、

近畿産銅鐸の31個にも、

「荒神の証」が見られないことから、

これらを持ち込んだ(あるいは提供した)一族は、

何らかの理由で「荒神」への信仰を

放棄したとも想像できます(逆もしかり)。

 

つまり、出雲に危機が迫り、

各地の「イズモの国々」が出雲へと集結する中で、

「相手側」に恭順することを選んだ一族と、

最後まで出雲のために戦った一族とを区別するために、

荒神を意味する「×」印を

刻んだのではないかという妄想が、

個人的には沸き上がってくるのです。