たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

異質の存在

2020-09-17 09:01:00 | 古代の出雲

<佐支多神社 さきたじんじゃ>

 

考えてみますと、出雲神話における

タケミナカタの振る舞いは、父親である

「大国主神」の意向とは相反するものでした。

大国主神やもうひとりの子である「事代主神」

が見せた、天津神への「国譲り」を

容認したかのような態度とは裏腹に、

タケミナカタだけは天津神の使者である

「タケミカヅチ」と真っ向から勝負し、

半ば強制的に出雲を追われる

羽目になったと読み取れるのです。

 

まあ、「国譲り」に関しては

様々な捉え方ができますので、

「これが正解」というものはありませんが、

ひとつの可能性としてあげるなら、

タケミナカタ一族は出雲(および出雲の財宝)

に最後まで固執していたか、

あるいは「出雲族」の中でも

異質な存在だったと考えられるのでしょう。

縄文中期から後期にかけて、

第二波の渡来民である様々な部族が縄文人と混交し、

いわゆる「国津神」が誕生する中で、

ルーツの異なる渡来部族の間では、

諸々の軋轢が発生していたのかもしれません。