たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鳥屋神社

2020-09-19 09:15:01 | 古代の出雲

<鳥屋神社 とやじんじゃ>

 

荒神谷の一帯以外にも、

タケミナカタをご祭神とする神社が、

四方を田んぼに囲まれた出雲平野に鎮座していました。

「鳥屋神社(とやじんじゃ)」と呼ばれるその社は、

まるで田園に浮かぶ小島のような社叢が目印で、

すぐそばには出雲を代表する

大河・斐伊川が流れております。

 

何でもこの社は、古事記に記される

「国譲り神話」と深い関わりがあり、

天津神の使者であるタケミカヅチと

力比べ(多芸志の小汀の決戦)をした際、

大国主命の子であるタケミナカタが投げた

「千引きの岩」が落ちたところなのだとか……。

そのとき岩にたくさんの白鳥が群がり、

まるで鳥小屋のように見えたことから、

「鳥屋」という地名が付けられたそうです。

 

ちなみに、縄文海進の時代この一帯は

「海(もしくは湿地帯)」だったと

思われる場所ゆえ、神社が建てられたのは

少なくとも「国引き」の後なのでしょう。

一説に、出雲国内で元から

タケミナカタをご祭神とするのは、

こちらの「鳥屋神社」だけという話もありますが、

もしそれが本当なら「タケミナカタ」という神は、

縄文後期から弥生時代にかけて

「出雲に現れた」と推測することができますね。