たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

天孫降臨の舞台

2020-09-26 09:36:50 | 古代の出雲

<鳥屋神社 とやじんじゃ>

 

『古事記』の中でも最大の謎のひとつと

いわれているのが、「なぜ天孫降臨の舞台が

出雲ではなく日向だったのか」という問題です。

もし仮に、出雲で「国譲り」が行われたとすれば、

わざわざ遠い九州を「天孫降臨」の地に

選ばなくても良さそうなものですが、

古事記の編纂者たちは出雲の名を

降臨地として記すことは避けました。

 

もしかすると、「国譲り」が完了してからも、

出雲には「出雲族」の流れを汲む人が多数残り、

自らの神への崇敬を維持するなど、

いわゆる「反乱分子」が存在していたのでしょうか……。

あるいは、「国譲り」の真相を知る編纂者が、

あえてそれ以降の出雲を封印することで、

逆に「出雲族(の尊厳)」を守った

という可能性も考えられます。

 

いずれにせよ、タケミナカタの一族は、

戦乱により力を削がれた出雲の各部族に代わり、

「ワラヘビ」祭祀などにその痕跡を残しながら、

長い年月に渡り「出雲の荒神」

を守護してきたのかもしれません。