たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

大神の御財

2020-09-09 09:34:15 | 古代の出雲

<神原神社 かんばらじんじゃ>

 

加茂岩倉遺跡の近隣住民の間では、

「大みそかの日になると

岩の中にいる金の鶏が鳴き、

その鳴き声を聞いた人は幸福になる」

という、いわゆる「金鶏伝承(長者伝説)」

が伝えられているそうです。

これらの話は「ここにはお宝(主に鉱物系)

が眠っているぞ」という一種の暗号ですから、

昨日ご紹介した神原の郷に伝わる「大神の御財」と、

神原村の長者が岩窟に治めた「宝」とは、

加茂岩倉遺跡に埋納された

「銅鐸」だった可能性も出てきますね。

 

一方、「大神の御財」を積み置いたとされる

神原神社の床下からも、景初三年(西暦239年)

と記された三角縁心神獣鏡が出土し、

『魏志倭人伝』に記された卑弥呼の鏡

ではないかという噂が囁かれているのだとか……。

いずれにせよ、この一帯に弥生時代から

古墳時代にかけての「お宝」が埋められ、

ある一族の手で守られていた様子が、

これらの伝承と出土品からも伺えるのでした。