<神原神社 かんばらじんじゃ>
加茂岩倉遺跡の近隣住民の間では、
「大みそかの日になると
岩の中にいる金の鶏が鳴き、
その鳴き声を聞いた人は幸福になる」
という、いわゆる「金鶏伝承(長者伝説)」
が伝えられているそうです。
これらの話は「ここにはお宝(主に鉱物系)
が眠っているぞ」という一種の暗号ですから、
昨日ご紹介した神原の郷に伝わる「大神の御財」と、
神原村の長者が岩窟に治めた「宝」とは、
加茂岩倉遺跡に埋納された
「銅鐸」だった可能性も出てきますね。
一方、「大神の御財」を積み置いたとされる
神原神社の床下からも、景初三年(西暦239年)
と記された三角縁心神獣鏡が出土し、
『魏志倭人伝』に記された卑弥呼の鏡
ではないかという噂が囁かれているのだとか……。
いずれにせよ、この一帯に弥生時代から
古墳時代にかけての「お宝」が埋められ、
ある一族の手で守られていた様子が、
これらの伝承と出土品からも伺えるのでした。