***** 子年の展望 No.69 *****
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味酒(うまざけ) 三輪の殿(との)の
朝門(あさと)にも 押し開かね
三輪の殿門(とのど)を
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大田田根子を神主として迎え、
臣下に造らせたお酒を大物主神に献上する際、
崇神天皇が詠んだこの歌に、
昨日の「卯と酉の時刻」の暗示を加えますと、
「酉の時刻から夜通し神事を行い、
卯の時刻になったら門を開けて外に出よ」
という暗示が浮かび上がります。
さらに、味酒(うまざけ)を
三輪山の水で造った酒に、
三輪の殿門(とのど)を
三輪山の三ツ鳥居に置き換えれば、
「三輪山の水を原料とする酒(薬)を飲み、
三ツ鳥居を潜って下界に戻る」といった
情景も見えてくるでしょう。
つまり、このとき崇神天皇が行った神事とは、
水やアルコールを使って場を清め、
鳥居を潜って心身を浄化する
ことだったとも考えられるのですね。
このときに「お酒」が初めて造られたとするなら、
やはり疫病対策には「水」「米」「菌」
「発酵」がカギとなってくるのかもしれません。
さらに、三輪の殿門(三ツ鳥居)が
何を示唆しているのかを想像してみると、
私たちも良く知る「あの風習」
がイメージされるのでした。