***** 大嘗祭 No.10 *****
一般的に「大嘗祭」が成立したのは、
天武天皇から持統天皇に
かけての時代だとされますが、
これまでの経緯を踏まえれば、
「三輪山の一件」が発端となった
可能性も否定できません。
ちなみに、歴代の天皇は伊勢の神と同様に、
三輪山の神への崇拝も欠かさなかったそうで、
上皇陛下も譲位される前の
2014年11月に大神神社を参拝されました。
また、2016年に橿原神宮を訪れた際には、
昼食会の席で突然「三輪山はどの辺りですか」
とお尋ねになられ、同席した人たちが
慌てて窓を開けて、三輪山の方角を
お知らせしたこともあるのだとか……。
上皇后陛下も大神神社への参拝後に、
「背後のお山そのものが御神体である
大神神社の深い静けさや、
御神社に所縁ゆかりのある
花鎮祭りに心引かれたりいたしました」
と感想を述べられたと聞きますし、
「三輪山」という存在が、両陛下の中で
大きな意味を持っていたことは確かなのでしょう。
恐らく、大物主神の恫喝を受けて以降、
歴代の皇室には「三輪山への祭祀なくして、
国家安泰は叶えられない」という教えが
根付いているのだと思われます。