たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

向かい干支

2020-04-11 09:17:06 | 大嘗祭

 

***** 大嘗祭 No.9 *****

十二支に登場する「卯」と「酉」は、

いわゆる「向かい干支(裏干支)」

と呼ばれる間柄でして、自分の干支の

「真向いにある干支(子の場合は午など)」

をあしらったものを身に着けると、

幸福が訪れるという俗信が古くから残っております。

 

何でも「向かい干支」は、

自分に足りない性質を補う干支とも言われており、

昔は子供の着物の背中に、

「お守り」として向かい干支の柄を刺繍したそうです。

また、酉年生まれの作家・泉鏡花は、

向かい干支にあたるウサギの品々を

好んで収集していたという話もありますし、

これらの風習を元に考えるなら、

「酉」の要素を秘めた忌部氏が、

自らの不足分を補完するために、

「卯」にこだわった理由も見えてまいりますね。

 

恐らく、「大嘗祭」の日取りを決定したのは、

天皇祭祀を陰から支えていた忌部氏であり、

「三輪山の一件」にも一枚噛んでいたのでしょう。

崇神天皇の守護として「鏡」「剣」

のレプリカを鋳造したり、

大神神社の神官となった大田田根子を補佐して

「卯」の呪術を施したりすることで、

「三輪山の鎮め」を試みたのかもしれません。