***** 大嘗祭 No.13 *****
古くから「赤(朱・丹)」という色には、
魔除けの効果があると言われており、
稲荷系神社の鳥居を始め、
水銀朱が塗られた様々な日用雑貨など、
人々は「赤」のパワーを生活の
隅々にまで取り入れてきました。
「稲(いね)」という言葉には、
飯の根、生きる根、息の根、
そして命の根などの意味があると聞きますし、
人間の命を守り再生させるような、
不思議な力を秘めた食物が
「赤米」だったのかもしれません。
そうなると再び脳裏に浮かんでくるのが、
「崇神天皇の祟り」の件で大物主神に
献上した「日本酒」のことですね。
恐らく、当時の日本酒と言うのは、
現代人がイメージするような透明な
清酒ではなく、赤米などの古代米を
使用した粥状のにごり酒だったと思われます。
今回の大嘗祭でも、「白貴・白酒(しろき)」
「黒貴・黒酒(くろき)」という
2種類のにごり酒が奉納されましたが、
古代それらの酒の醸造を担っていたのが、
「造酒童女・造酒児(さかつこ)」
と呼ばれる童女を筆頭とする
専属の女性たちでした。