たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

秘められた力

2020-04-10 09:09:50 | 大嘗祭

 

***** 大嘗祭 No.8 *****

「卯の日」と「冬至の日」とが重なる

持統天皇5年11月辛卯の日。

満を持して執り行われたのが、

持統天皇の即位儀礼の中心となる

「大嘗祭」でした。このときすでに、

天武天皇の崩御から3年以上の年月が経ち、

表向きは皇位継承が定着していた頃にも関わらず、

なぜか持統天皇はこの日まで

大嘗祭を行わなかったと想像されます。

 

一説に、「卯」が「春」「早朝」

「万物のはじまり」などを示す干支で

あることから、国や自らの繁栄を願って

「卯の日」を選んだという話がありますが、

先日からお話ししている「三輪山の出来事」

を念頭におけば、あの持統天皇が

単に「縁起が良い」という理由だけで、

卯の日を選んだとは思えず……。

恐らくは、「卯の日」の呪術的効果を

見抜いていたからこそ、わざわざこの日を

待って大嘗祭を催行したような気がするのですね。

 

ちなみに、数年前の記事の中で、

「ウサギ」を神使とする阿波の白人神社と、

「トリ」を象徴とする忌部氏との

関係について触れました。もしかすると、

「大嘗祭」にも深く関与したと思われる忌部氏は、

「卯」に秘められた何らかの力を

知っていたのかもしれません。