***** 子年の展望 No.75 *****
改めて「酒」という文字をまじまじと
眺めてみますと、「水」と「酉」という形象が
重なり合ってできていることがわかります。
酒造りにきれいな水は欠かせませんから、
文字の中に「水」が入っていることに
関しては納得できますが、
右側の「酉」がいったい何を示しているのか
気になったので調べてみたところ、
「酉(とり)」とは発酵した果実を入れる
「壺(つぼ)」をイメージした古代文字なのだとか……。
何でも、「お酒の醸造開始時期」
を意味する漢字を決める際、
たまたま「酉」という文字を選んだとのことで
(諸説あります)、酉を「とり」と読むように
なったのは後年になってからだそうです。
ただし、これまでの三輪山の経緯を踏まえますと、
酒の文字に「酉」が入っているのは
非常に意味深でして、たびたび取り上げます
三輪の殿「門」とは、三ツ「鳥」居であり
「酉」のことだと個人的には感じております。
「三ツ鳥居」の中に潜む「酉」とは、
つまりカゴメ歌の中に登場する
「籠の中の鳥」でもあるのでしょう。
「酉」が災厄を暗示する文字だとすれば、
籠の中の鳥が飛び立つ「夜明けの晩」とは、
まさしく「卯」の月・日・時間なのかもしれません。