たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

天皇霊の宿る山

2020-04-09 09:01:03 | 大嘗祭

 

***** 大嘗祭 No.7 *****

『日本書紀』の敏達天皇の巻に、

「三輪山は天皇霊の宿る山だった」

という記述があるそうです。

何でも、敏達十年(581年)、

反乱の罪により三輪山の都へと

連れてこられた蝦夷の首領は、

「天皇霊」への忠誠を誓うために

三輪山を遥拝したとのこと

(この時代にはまだ「天皇」という

概念はなかったとは思われますが……)。

これらの話から、大王家(天皇家)の神が

三輪山に鎮座しているという話は、

人々の間で「周知の事実」だった

可能性が伺えますね。

 

また、当時の「歌」の中には、

「三輪山を見ることで、天皇霊が付着する」

という意味にも受け取れる作品があることから、

この頃の大王家の信仰が「三輪山」と

深く関わっていたことは確かなのでしょう。

恐らくは、崇神天皇の時代に、

天皇家の祖神である「天照太御神」と、

土着の国津神である「倭大国魂神」

を宮中外へと移動させたのち、

天皇祭祀の中心となったのが

「三輪山」だったのかもしれません。

そして、その発端となったのは、

件の「大物主神の祟り」であり、

「卯の日」に行われた三輪山の神事

ではないかと推測されるのです。