***** 子年の展望 No.72 *****
なぜ、大神神社に「三ツ鳥居」と呼ばれる、
不思議な形状の鳥居が造られたのかはともかく、
大物主神にお神酒を献上し終えた人々が、
どうやって「三ツ鳥居」を通り抜けたのかを
想像してみると、やはりその様子は
「茅の輪くぐり」と同様の手順
だったような気がいたしております。
まずは、中央の大きな鳥居をくぐってから
「左」の小さな鳥居へと移り、
さらには中央を通り「右」の小さな鳥居を
8の字を描くようにしてくぐり抜け、
最後にもう一度「左」の鳥居を通った上で、
門外へと出て行った人々の姿が思い浮かぶのですね。
考えてみますと、神社参拝の必須事項である
「手水舎」での作法も、左手・右手・左手と
手のひらで交互に水を受けながら心身を清めますし、
聖域に欠かせない「しめ縄」は、
撚り合わせた二本のワラ束に、
一本のワラ束(合計3本)をねじりながら
完成させます(しかも、左ねじりが多い)。
つまり、神道の禊払いには「三回」という数と、
「8の字」や「∞の形」に撚る作業、
さらには「左優位」という条件が
重なっていることがわかるのです。