たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

異国色の儀式

2020-04-26 09:50:20 | 大嘗祭

 

***** 大嘗祭 No.24 *****

天皇の即位儀礼の中でも最も重要とされるのが、

昨年11月14日夕刻~15日未明にかけて行われた

「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれる儀式です。

一説に「大嘗祭を経なければ天皇になれない」

などと言われるほど、とりわけ厳粛な雰囲気で

行われる式典ではありますが、

実は長い皇室の歴史の中でも、

南北朝~明治時代に即位した天皇に関しては、

大嘗祭を執り行わないケースも多かったと聞きます。

 

代わりに行われていたのが、

即位灌頂(そくいかんじょう)という

密教的要素の強い儀式でして、

これらの即位儀礼が、約500年以上もの長期間

「大嘗祭の代替儀式」として続けられていたそうです。

 

ちなみに、即位灌頂の「灌頂」とは、

仏教(ヒンズー教?)で頭に水を注ぐ

所作を意味する言葉で、実際の即位礼では、

水を注ぐ代わりに手に印を結び、

呪文(ボロン)を唱えたのだとか……。

つまり、ある時期の大嘗祭(天皇祭祀)は、

異国色に染まっていた様子が伺えるのですね。