***** 大嘗祭 No.24 *****
天皇の即位儀礼の中でも最も重要とされるのが、
昨年11月14日夕刻~15日未明にかけて行われた
「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれる儀式です。
一説に「大嘗祭を経なければ天皇になれない」
などと言われるほど、とりわけ厳粛な雰囲気で
行われる式典ではありますが、
実は長い皇室の歴史の中でも、
南北朝~明治時代に即位した天皇に関しては、
大嘗祭を執り行わないケースも多かったと聞きます。
代わりに行われていたのが、
即位灌頂(そくいかんじょう)という
密教的要素の強い儀式でして、
これらの即位儀礼が、約500年以上もの長期間
「大嘗祭の代替儀式」として続けられていたそうです。
ちなみに、即位灌頂の「灌頂」とは、
仏教(ヒンズー教?)で頭に水を注ぐ
所作を意味する言葉で、実際の即位礼では、
水を注ぐ代わりに手に印を結び、
呪文(ボロン)を唱えたのだとか……。
つまり、ある時期の大嘗祭(天皇祭祀)は、
異国色に染まっていた様子が伺えるのですね。