<外宮 げぐう>
伊勢神宮が管轄する神社を訪れますと、
どんなに小さなお社であっても、
ゴミひとつ落ちていないことに感心します。
ときどき、神域の中にゴミを見つけると、
どうしても拾わずにはいられなくなるほど、
隅々にまで掃除の気配りが生き届いており、
祭儀が行われる際には、清掃担当の職員が、
入念にご神事の場を掃き清めています。
今回拝見した、風宮の遷宮の祭典の中でも、
急な雨により祭儀の場が変更になったとき、
お祭りが始まる直前まで、
清掃担当者が落ち葉を掃いておられました。
よく「部屋の汚れは心の汚れ」といいますが、
ほこりだらけの散らかった場所で生活をしていると、
いくら開運行動を試みても、運気は上がりません。
それと同じく、どんなに御利益のあると評判の神社でも、
境内が荒れていたり、余計な物が置いてあったりすれば、
いくらお金を積んで御祈祷をしても、
逆に「厄」をもらってくるだけでしょう。
遷御の儀を目前にした大事な時期に、
「洗清」という儀式を行うように、
掃除という行為は真のご神事であり、
私たちの生活を安定させるための、
欠かせない秘儀なのだと思います。